INTERVIEW
SMDO×Rika Tsutsui interview


アートディレクター佐野みなみとヘアメイクアップアーティスト筒井りか
10年間の軌跡やこれからの展望についてに語り合う
雑誌 カタログ 広告 web媒体等で活躍するヘアメイクアップアーティスト・筒井りか氏と、SMDO代表の佐野みなみ。10年来の二人が出会いからこれまでのお仕事の軌跡を振り返りながら、アートディレクターとヘアメイクの関係性、そしてこれから挑戦したいことなどについて語ります。

ヘアメイクアップアーティスト
筒井りか
アシスタントを経て2015年独立。Cake management所属。2023年よりFleelance。
雑誌 カタログ 広告 web媒体等で活動中。
WEBサイト:https://rikatsutsui0913.wixsite.com/tsutsui-rika
Instagram:https://www.instagram.com/d_zon/

Sano Minami Desogn Office 代表/アートディレクター
佐野 みなみ
1983年11月03日生まれ。東京理科大学理学部化学科卒業 東京理科大学大学院理学研究科 化学専攻中退
その後、第一種特待生としてバンタンデザイン研究所グラフィックデザイン学科入学。
C.T.T.P (現 信藤三雄事務所) インターン在籍後2009年4月より2010年4月まで 合同会社OPERA (現 株式会社ヴィーナス・スプリング ) に在籍。グラフィックデザイナーとして勤務。
2010年4月より独立しSano Minami Design Officeを設立。
2023年から3年連続でグラフィックデザイン年鑑『MdNデザイナーズファイル』にて最前線で活躍しているトップクリエイター&次世代を担う若手デザイナー255組の1人として掲載されている。
– 出会いと10年の歩み
佐野:私たちが出会ったのが実はもう10年以上前ですよね。
筒井:そうですね、あっという間に10年経ちましたね。
佐野:2014年にね、筒井さんが私に営業メールを送ってくれたところから、このお付き合いが始まったんですが、その時なんで私を見つけてくれたんですか??
筒井:たしかホームページを見させていただいて、 思い切って連絡したんですよね。 何社かアポイントを取ったんですけど、 みなみさんが本当親身に返事を返してくれて。 お返事来た!みたいな感じでした。
佐野:初めてもらったメールをこの前探してみたんですけど 初々しいメールをでしたね笑すごく私のことをまず褒めるところから入ってくださってるんです笑 佐野様のお仕事で、多岐にわたるご活躍を拝見いたしましたっていう。やはり褒められると、私もすごく気分が良かったので笑
筒井:すごくうれしいですね。 あのメールも、私はすごく時間をかけて絶対見てほしいって気持ちを伝えたくて、かなり練ってますね。


佐野:私、独立して15年ぐらい経って、デザイン書とかにもいっぱい掲載いただく機会が増えたので、 正直フォトグラファーさんとか、ヘアメイクさんからこういうブック見てくださいっていう営業メール、すごいいただくんですよ。そうした中で筒井さんの何が良かったかというと、 10年前じゃないですか、私も独立して、5年近く経って、こうそろそろ脂が乗ってくるけれども、まだバンバン営業メールがもらえてない段階のアートディレクターだったんですね。 そんな中で私を褒めたたえるメールが来たら、気分もよく、タイミングはもうバッチリだったってことです笑
筒井:うれしいです。あのあとすぐにスケジュールを合わせてくださって。ブック見せまでこぎつけたのは本当に嬉しかったです。
佐野:ヘアメイクさんの中で独立したばっかりで営業を考えている方とか、これはもしかしたらフォトグラファーさんにも関係あるかもしれないけど、私、別に大御所じゃないけど、独立して年数が経ってる人よりかは、5年目とか3年目とかぐらいのアートディレクターにアポイントを取るっていうのは、1つ狙い目というか、営業が獲得しやすいのかなって思います。 私と筒井さんもブック見たのがやっぱり1つのきっかけになって、 そこから1個お仕事を振ってから、それで10年の付き合いでいろんな案件を一緒にやっていますね。 そういう関係性になれる可能性を秘めているので、勇気を出してメールを送るっていうのはすばらしいし、 筒井さんは私の中でドンピシャで大成功でした。
佐野:まだご招待できるような立派な事務所を構えているわけじゃなかったので、当時は新宿御苑のあたりに住んでて、近くのカフェの待ち合わせをして、そこでブックを見させてもらったよね。
筒井:確かアナログのブックでした。 当時はあんまりPDFとかデジタルが浸透してなくて インスタとかで作品バンバン載せるみたいな場所もなかったんで、その大きなブックをこしらえていろんなところに抱えていった記憶があります。
佐野:そうそう。でもそのブックが素敵だったのよね。あと作品もそうだけど、何よりすごく話しやすかった。 筒井さん自身の見た目もすごく可愛らしかった。あの時ボブっぽい感じで、 すごくアーティスト性もあって、センスもありそうな感じがありました。笑
筒井:ありがとうございます! 当時のブックを見返して今よりちょっとアーティスティックなコンセプトが好きだったんです。内容も私はこういうのが得意ですみたいな感じがすごくぐちゃぐちゃになってて、今思えば良かったのか、悪かったのか、、、勢いはあったけど。


佐野:やはりそこで何が伝わってきたかというと、 そのセンスの良さや技術力というのはもちろん伝わってきて、ただリアルなお仕事ってオシャレなことばっかりじゃないから、実際にそういう時にどうなるのかなっていうのはありました。 だからこそ一番最初にお願いした案件っていうのは、割と気楽にお願いしやすい案件からスタートしたっていうところはあると思うんですけど、あれから10年ぐらい経っていろいろブックを見るときに、私が今どういう目線で見るかというと、リアルなお仕事につながるかどうかっていうところを私は見るんですよね。
だから今だとやはり作品作りがすごく多くて、ビジネスの実績が少ない方だと、実際のお仕事の現場でこの人どう動くのかなとか、クライアントからむちゃくちゃなオーダーがもし入った場合、 対応できるのかなとか、そういうところを考えるんですよね。 でも、ビジネスのお仕事の実績がいっぱいあって、 その上で素晴らしい作品がいっぱいあるとクライアントさんとか、ディレクターとのコミュニケーションをうまくやりつつ、 いいものを作れる方なんだなっていう。 そういう目線で今見ています。
筒井:だから当時のみなみさんと今のみなみさんでは、 きっと抱えているお仕事の量とか、大きさも全然違うから。 おそらく私本当タイミング良かったってことですよね。
佐野:お互いにね! 今の筒井さんが今の私に営業したら、 それはそれでマッチングするし、 当時の筒井さんと当時の私もマッチングしたはずだから いつでもマッチングするっていう笑
佐野:そういうところから、もう10年を経ちましたけれども いろんなことを私たちは乗り越えてきましたね。一番最初は、私がすごくお世話になっている社長さんが立ち上げた、アプリのキービジュアルみたいな撮影で、今で言うと、インフルエンサーさん的なモデルさんを撮影するという案件を、まず最初にお願いしたんですよね。そこからオーディオテクニカさんの案件だったりとか、ファッションブランドさんだったりとか、本当に広告案件からファッションブランド系から先日もカラーコンタクトのブランドのキービジュアルだったりとか。私がお願いしているヘアメイクさんが筒井さん以外にも何名かいますけど、筒井さんはその中でもやっぱりすごく数多いですよね。
10年も一緒にやってるとファッション案件で、寒くてモデルさんがいきなり泣き出しちゃうっていうような案件もあったりしてね。
筒井:あれはどの現場でも昔そういうことありましたみたいなこと言うと、みなさん驚かれます。
佐野:撮影時期が冬寒い中で海辺の荒野ってこともあったしね。
着るお洋服も割と薄手のものだったから確かにあのモデルさんは一番寒かったかもしれないんですけど、でもいろいろケアはしてね。暖房機器とか最善は尽くしたんですけど、かなり若いモデルさんで、海外の方だったんですけどね。途中で泣き出してしまうというハプニングがあってもうどうしようってなって。 今となっては伝説です笑
筒井:自分の中では肥やしになりましたね。今となっては。
佐野:そうですね、それでもなんとか 撮りきったので、そういう意味ではどんな壁が立ちはだかろうと、私たちはきっとうまくやっていけるんだろうという 自信にもつながったわけなんですけれどね。


– アートディレクターとヘアメイクの関係性
佐野:話は変わりますが、ヘアメイクさんから見た良い アートディレクターというのをちょっと聞いてみたくてですね。
どう思いますか。いろんなアートディレクターとお仕事されてますよね。
筒井:アートディレクターの方は、大きなお仕事だとやはり1人はいますからね。
いろんな方に会うんですけど、やはりよいアートディレクターってなると、実績があるっていうのは表面的ちゃ表面的ですけど、信頼にもつながりますよね。 あとなんだろう、クライアントさんがどういうプロダクトを今後どうやって打ち出していきたいかとか、そういうのも全部アートディレクターの方がクライアントさんとの間に入ってつなげてくださると思うんですけど、そういうものをチームに共有するときの共有の仕方がアートディレクターによって、いろんなやり方があるんですけど、主観的な感じのニュアンスの伝え方じゃなくて客観的に基づいてとか。 ベースみたいなものをしっかり組んでチームをまとめ上げてくれる、クリエイター全員が同じ方向に向けるようなお仕事の進行の仕方だったり。 そういうのがうまい方だと私は一緒にお仕事していて、良いアートディレクターだなって思っています。
佐野:ちなみにファッションブランドの撮影とか雑誌の撮影とかいろいろやっていると思うんですけど、アートディレクターがいる案件といない案件の割合って、どれぐらいですか?
筒井:そうですね。6割ぐらいはアートディレクターの方が入ってるんですけど、入っていない撮影もあります。
佐野:そうですよね。雑誌とかもフォグラファーさん自身がディレクションしながらっていうのも、いっぱいあると思います。アートディレクターは広告関係とか特に入ることが多いかなと思います。


筒井:私、アートディレクターというポジションの方すごく好きなんです。
まとめ上げるのがかっこいいなと思って見てて、チームのリーダーみたいな。 だからアートディレクターという存在がいる撮影が本当に好きです。 チームの一員として、私のヘアメイクです。みたいな案件が好きなんで、自分の性格とかももちろんあると思うんですけど。 こういうビジュアルをこういうふうなところに打ち出して作りたいとかって、まとめてくれる人がいれば、だったら私は技術として、こういう風がいいんじゃないですか、 これがいいんじゃないですかっていう時にアートディレクターの方がちゃんといや、それは違うとか、そういうディスカッションができる余地が与えられると思うんです。 だから1人アートディレクターの方がいると私はこのヘアメイクとしてどんなことができるかなとか気合いが入るんじゃないですけど、なんかヨシ!みたいなりますね。
佐野:嬉しいですね。結局、アートディレクターって、 クライアントさんと、撮影チームとのその仲介役みたいなところもあるし、 ある意味学級委員長みたいな。
筒井:だから好きなんです。私は。
佐野:実際に、学級委員長、めちゃくちゃやってて、生徒会の副会長をやった経験もあるんでそういうのが得意な人はアートディレクターとかクリエイティブディレクターとか向きかもしれないですね。
筒井:やはりそうなんですね! みなみさんの現場、すごい好きなんですよ。 なんでかわかりました。その感覚かも。 学級みたいなとか。
佐野:そうそう。プレゼント大好きみたいな笑 。でもグラフィックデザイナー兼アートディレクターと言いつつ、 今って、自分自身が手を動かすことって、もうほぼないんですよね。 ディレクションばかりなので、こうプレゼンして、打ち合わせしての連続で。
筒井:最近ちょっと距離を感じます笑。
佐野:そんなことない!笑 。着実に、同じタイミングで着実に上へステップアップしています!
筒井:しかもコロナ禍以降、さらに働きやすくなってますよね。
佐野:オンラインミーティングとか、オンラインプレゼンが許される環境になっています。かなりひきこもりの私にとっては、すごく働きやすい環境にになってきましたね笑。
筒井:働き方が合ってますよね。
佐野:そうですね、時代が私に追いついてきたっていう笑。
筒井:最近資料の共有とかもないから、 あれなんですかね?録画した動画を、、、
佐野:そうそう、動画で画面収録してスタッフとかにも指示しています。


筒井:あれはみなみさんの中では普通なんですか?
佐野:私はコロナ渦前から、いかに自分が外に出ないで自分の意思を伝えるかというのを研究し尽くして、それで動画で共有するっていうのを編み出して笑。今うちのチーム20人ぐらいスタッフがいるんですけど、 その日に入ってくれるスタッフに朝、指示動画を送って、今日はあれやってね、 これやってねっていうのを動画で収録して送ってて。あとは皆さんslackでお返事くれると。 ヘアメイクさんとか、フォトグラファーさんにもたまに動画で今回の案件はこういう感じでって動画で説明したりするんですけど、画面収録動画だと聞き返せるし、画面も見返せるし、言った言わないのトラブル対策にもなる。 コロナが始まる前からそういうのをやってたので、新しくSMDOに参加する方も、東京では今こんなことにやってるんですか?って言われて、いや、東京だからじゃなくって私だからっていう笑。
筒井:とてもびっくりしました笑。そこまで引きこもりたいんだっていう笑。
佐野:そのうちもう現場では会えない、AIみたくなっちゃうかもしれない。 その人がいないみたいな。それぐらい引きこもってます。
筒井:今日あえてよかったです笑。

– アートディレクターから見た「良いヘアメイクさん」とは?
佐野:これはまず筒井さんを良いヘアメイクさんだと思ってるから、その前提でお仕事をずっとお願いしています。
すごく初歩的な話ではあるんですけど、撮影現場でたとえばクライアントさんとお話が盛り上がっちゃったりして、撮影してるのに、モデルさんの髪の毛が目にかかっちゃったりとか、跳ねてたりしても気づかないでずっと放置してる人いるんですよ。
新人さんのヘアメイクさんとかだと、もしかしたらお付き合いとかもうまくやらなきゃとか、楽しくなっちゃったとかもあるかもしれないですけど。うちの場合は動画よりスチールの方が多いのでその瞬間がとても大事なので、いくら表情がよくても髪の毛が目ににかかってたりとか跳ねていたりとか、、、。レタッチとかでなんとかできはするけど、でも気になったら入ります!と言って入るのがヘアメイクさんなのかなと。ずっとニコニコ笑って立ってるだけな人もたまにいるんですよ。そんな方は滅多にいないんですけど、それは良くないヘアメイクさんの例ですよね。
逆に、私がクライアントさんからいろいろリクエストを言われて、たまに目を離さないといけない時とかでもちゃんと任せられるっていう安心感があるヘアメイクさんというのは、やっぱり普通にいいヘアメイクさんだなと思うし、あとは今回どういう案件でどういうヘアメイクがいいですかっていうのを、きちんとアートディレクターに確認してくれるヘアメイクさんっていうのも私としてはありがたいんですよね、初めての方とのコミュニケーションを取るのが少し大変ではあるんですけども、積極的に聞いて下さる方だとお仕事をやりやすいな、また次にお願いしたいなと思うところはあるかなって思います。




筒井:私は聞くようにしてます。とくにみなみさんには。
というのも、案件が本格的に始まる前にみなみさんってすごく資料だとか共有してくださるんじゃないですか、クライアントさんのニーズ的にも、あの方たちに向けてだったらこういう感じのメイクだとか、こういう感じのヘアスタイルだとか、髪はこれぐらい間引いててほしいとかって、みなみさんは本当に決まってるんですよね。だから特にみなみさんの現場は絶対に集中しないといけないって思ってて。
筒井:アートディレクターによってはその人の色があったりするから急に変えたりもするんですけど、みなみさんの場合は現場でこれどうですか?みたいなこちら側の主張をそういうのを出されるのがあんまり好きじゃないと思うんですよね。
大きい仕事をしているからこそ、そういうのはみなみさんが仕事をやりにくくさせるだけだから、しないようにと思っています。
佐野:ありがたいです。
もちろん事前に相談していただければ大丈夫なんですが、うちの案件って広告案件が多いので、私とモデルさんとヘアメイクさんだけで完結するものではなくて、クライアントさんがあって、代理店さんがあってっていう風に間に色んな方が入るので会社さん、クライアントさんの中でもそれぞれ役員さんの承認を得たりとかすることも多いんです。そうなった時にヘアメイクもこういう方向性で事前に行きますよっていう資料で提出してるのにいざやってみると資料と違うじゃんってなると後でやっぱりね。
筒井:トラブルにもなりますもんね。
佐野:それでも実際のモデルさんで、実際の照明で、実際のカメラマンさんに撮ってみないとわからないところもあるから、現場で判断してより良いものができるとも思っているのでご提案をいただく分にはいいんだけれども、全然違うみたいな話になっちゃうとね。笑
筒井:最近大きい案件も多いですしね。でもそういうだからこそ、学級代表の力が発揮されていて、どんどん大忙しなんですね。
佐野:筒井さんともそうだし、クライアントもそうだし、そこの安心感というか、突拍子もないことをしないっていう安心感っていうのは、結構大事なのかもしれないです。
もし何かアイデアがあったら、事前にすり合わせをして、資料で共有とかできると、安心なところはあるかもしれないですね。でも私たちが出会った頃とか、10年前とかは割とライブ感を楽しめるような案件もあったかもしれないですね。特に個人でやられているファッションブランドさんとかだと、そのファッションブランドさんと、私とモデルさん、そして筒井さんの感性があったときに、これもいいかもねっていうので、もっていけちゃうケースもあったりするので。でもさっき言ったように間にいっぱい階層があると、なかなかそこだけの判断でいかないケースもあるんです。
筒井:面白さがありますね。しっかり使っていただけるからこそ、慎重なものづくりが必要だったりするんですけど、私はやっぱりそういうライブ感のあるお仕事も好きです。

– フリーランス初期の営業方法と、
今の案件獲得のスタイルの違い
佐野:何かあります?営業ってそもそも積極的にしますか?
筒井:いまはやらなくなってしまいました。
でもやりたいなと思って、この間みなみさんに突然ご相談をしました。新しい自分になりたいって。今は営業は本当に行かなくなってしまったんですよ。SNSとかが増えてお仕事のクレジットを見てご依頼いただくとかが多くなってしまって、あの頃のアクティブさが低迷している気がします。やっぱり人の紹介とか、そういう横のつながりで十分スケジュールが埋まっちゃうから、10年前と今と比べるとお仕事を獲得しないと生きていけないっていう感じではないんですよね。
佐野:営業バンバンやらないとお仕事がもらえないってわけでもない、良いフェーズにありがたくも来れたので、でもだからこそ新しい自分に今なろうとしているんだよね。
筒井:はい、みなみさんに相談しました。みなみさんはお仕事の仕方がやっぱり上手だから、ノウハウを知りたいなと思って。聞くならみなみさんかなと思ってご連絡しました。そしたら発信の仕方も、いろいろやってみた方がいいよとか。楽しみながら今回の対談も私的にはかなり新しいし、とりあえずやってみようかみたいな感じでお誘いいただいて。


佐野:筒井さんが今までのへアメイクさんのキャリアももちろんある中で、でも今後その先の5年、10年の未来を考えたときに、現場でのヘアメイクをやるだけじゃなくて、他の道もあるのかなという、今の現場の仕事もやりつつだけれども、プラスアルファでメイクのノウハウをどこかに発信するのかとか、いろんな可能性があるっていうところを今後の自分の未来を見据えて模索している姿っていうのは、逆に私もすごく刺激をもらっています。
筒井:本当ですか?!すごくご活躍されているのに、まだまだステップアップできるようなそういうお話をたくさんしてくださって、私もとても感化されました。どこまで行くんですかね?みなみさんは。
でもこれ以上高いところなんてないんじゃないですか笑
佐野:ありますよ全然!笑
まだ法人化できてないですし、お金も出ていく一方なので悩ましいですよね。アートディレクターとかデザイン事務所も営業をどうするかという問題があって。私も過去10年に、あんまり積極的に自分から営業って、そこまでしてないんですよね。やっぱり横のつながりでリピートしていただくとか、ご紹介いただくっていうのがほとんどなんです。
でも去年1年だけ月30万ぐらいかけて、1年間営業会社さんにお願いして、新規の案件を獲得してもらうっていうのをやってはみたんですけれども、そこまで爆発的に案件が増えるというわけでもなかったんです。毎月30万お支払いしてじゃあ年間で考えると、営業費用にフリーランスが年間で300万円以上かけて、じゃあ獲得できた案件がこれだけでって考えると、ちょっとあんまり割にも合わなくて。そういう営業会社さんにお支払いして、案件を獲得するっていうのは、ちょっと今はまだそのフェーズではないというか、法人化とかして、もっともっと稼げるようになったらって感じですかね。
佐野:私も新たな案件を獲得したいと思うし、いい発信のアイデアが欲しいなと思っています。こういうインスタライブだって、1つの発信の手法ではありますよね。私も筒井さんもお仕事はいつでも募集しているんでお願いしますっていう笑。
筒井:お願いします!笑
佐野:私も筒井さんもnoteとか最近始めたりしたしね。
筒井:それもやっぱりみなみさんに感化されてですね。色んなことを吸収して挑戦してみたいです。
佐野:インスタライブなんて、私たちはやるようなキャラじゃなかったので、それでも一歩何か始めようということで、こうしてインスタライブをやっているわけなのでアーカイブとかで是非たくさんの人に見てもらいたいなと思ってますし、筒井さんのnoteも是非読んでいただきたいです。
筒井:まだまだ恥ずかしさが抜けきらず、ちょっとふざけてる部分もあるんですけど笑
乞うご期待って感じで見てみてください。
佐野:今後どういうことをnoteに書こうと思ってるの?
筒井:実は特技があって。その人のメイク感とかファッションとかでその人の心理状況まで探るのが好きな好きで得意なんですよ。今日はいつもとちょっと違うなとか、今日こんな感じなんだろうなとか、ヘアメイクをやっているとそういうのを察知するのが得意だと思うんですよ。初対面の方とかでも、現れたときのメイクの感じとかで何となくわかるんです。
佐野:じゃあすごい暗めの赤い真っ赤な口紅とかして、ヘアメイクも強かったらこうだろうなとか?


筒井:そうですね、アイデンティティじゃないんですけど強いアイラインだったり赤い口紅をチョイスするところに、その人がどこで誰に会うかとかでも変わってくるんですけど、こういう趣味が反映されているんだろうなとか、一筋縄な印象を持たれたくないんだろうなとか。そういうのを感じたり見るのが好きなんですよ。だからそういったことを自分なりに解釈して発信できたら面白いかなみたいな。
佐野:それは面白いですね。
筒井:けっこうみなさん知らずにお顔に反映させてるんですよ。 趣味とかを。
そういうのとかを組み取るのが好きなんですよ。なので気持ち悪いかもですがけっこう見ています笑。
人を見かけで判断するなっていうのももちろんあるんですけど、そういう偏見とかではなく、マインドみたいなところを自分的に解釈するのが好きなんです。それをポジティブな感じでnoteに面白おかしく綴れたらなって。もしかしたら共感とか呼べるのかなって思ってます。
佐野:けっこう筒井さんは分析型って感じ?
筒井:分析型っていうよりかはエッセイ的な感じで、文字上に合わせてどうでもいいことをつらつらとしゃべってるんで、その点にフォーカスしているおかしな人だなみたいな感じで読み取ってもらえたら笑。
佐野:すごい読んでみたくなるし、WEBの雑誌とかファッション系、ビューティー系で取り上げていただけたらすごくいいと思うんで興味持っていただいた編集者の方是非!笑
筒井:でも本を読んでこなかった人生だったから、文章あんまりうまくないんですよ。笑
佐野:でも今はchatGPT先生に直してもらったり、本場の方に怒られちゃうかもしれないけど、それでもできないからストップしちゃうよりはね。そこでもガンガン発信していったほうが。
筒井:文章がうまい人から見たら微妙かなって思いながら、毎回noteに向かうんですけど、noteって開くと、最初にコメントくるじゃないですか。
思ったことなんて書きましょうみたいな。後押ししてくれている気がして、うまくなくてもいいかなって。それでも時間がかかるからなかなか更新できてないんですけど。
佐野:でも、ちょっとずつでも続けることが大事ですからね。筒井さんのnoteに乞うご期待ですね!



– 10年間仕事を一緒にしてきて、一番印象的だった瞬間は?
佐野:なにかあります?私と筒井さんのお仕事で。
筒井:何だろう。みなみさんがどんどんステップアップしていく姿を10年間ずっと見てきているので、でも大事にしてるスタンスとかは全然変わってないし、人柄も全然変わらないんですよね。私なんかよりもずっとキャリアある大物ヘアメイクさんも起用できるはずなのにそれでも私を呼んでくれるのも嬉しいんですよね。
佐野:私の結婚式のヘアメイクもやってくれたましたよね。
筒井:そう!すごい嬉しかったです。
泣いちゃうのが嫌だからいつもオフィスで流れてたボサノバを起用したところも、私もめちゃくちゃ可愛い人だと思って笑。
あと猫ちゃんね、信じられないですよ。いまだに。
佐野:こんな猫好きになってしまったという?笑
筒井:はい、猫ちゃんたちと一緒に暮らし始めたって聞いた時本当に驚いちゃって。
佐野:確かに10年前からずっと私のことを知ってる人からすると、猫を愛でているのはちょっと驚きかもしれないですね。
佐野:結婚式のヘアメイクを筒井さんにお願いした理由もちゃんとあるんです。筒井さんの他にも何名かお付き合いのあるヘアメイクさんが式に参列していただいていて、みなさん長いつき合いではあるんですけど、結婚式のヘアメイクは筒井さんにやってもらいたいなっていうのがすごくあって。
プライベートでめちゃくちゃ仲が良すぎるヘアメイクさんとかもいるんですけど。プライベートが近すぎる人にバレたくない部分であるじゃないですか。でも筒井さんはビジネスがメインのお付き合いだからこそ、お願いしやすかった。
筒井:ありがとうございます。とても嬉しいです。でも今だったらもっと素敵にできると思います。笑。イベントとかあったら是非、、、!
佐野:そういう機会があるかどうかわかんないですけどその時はお願いします!2人ともメディアとかにももうちょっと出れたらいいなという気持ちもあるので、お互いに頑張っていけたらいいですよね。



– 今後のお仕事の展望
筒井:仕事を始めて10年くらいになるんですけど、今後この先の10年ももちろんこの大好きなヘアメイクの仕事を続けていきたいんですけど、時代とかもやっぱり変わってくるし柔軟になにか発信したりだとか、そういう機会もあれば挑戦したいと思うし、SNSとかでももっと個を打ち出していきたいですね。
noteもまだ全然何もできてないですけど、そういう自分の好きなものを反映したメイクとか、もっと分析して提案できる側に回れるたらいいなと思いますね。何年かかるかわかんないんですけど、現場以外の仕事でも自分のやってきたこととか技術とかを発信できたらいいなって最近すごい考えていて。そのためには今できることって何かなっていうのを気負わず真面目すぎず、気楽にって言ったらあれですけど、楽しく皆さんも巻き込んでやっていけたら。
佐野:例えばメイクの新しいブランドを開発するブランドさんがあったとしたら、筒井さんの意見も事前にヒアリングとかして、アドバイスもらったりとか、そういう機会もあるかもしれないし、講演とかそういう機会もあれば、こういうお人柄で、しかも長い時間でもひたすら喋り続けられるっていうのを、この動画を見ていただければ伝わると思うのでもし筒井さん興味持っていただいた方はお気軽にお問い合わせしていただければ嬉しいですね。
逆にこの対談を見て、筒井さんのところからもし飛んできてくれた人がいて、このアートディレクターさん、素敵じゃん!って思ってくれたら紹介していただいて笑。
本当に素敵なヘアメイクさんなので、長いお付き合いを今後ともよろしくお願いします!
筒井:こちらこそこれからもよろしくお願いします!
今日はありがとうございました。
SMDOとの主な協働案件
STITCH HOTEL Kyoto Creative examples


「STITCH HOTEL Kyoto」の実績ページはこちらからご覧ください。
https://sanominami.com/project/stitch-hotel-kyoto/
公式サイト
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000032253.html

Sano Minami Desogn Office 代表/アートディレクター
佐野 みなみ
1983年11月03日生まれ。東京理科大学理学部化学科卒業 東京理科大学大学院理学研究科 化学専攻中退
その後、第一種特待生としてバンタンデザイン研究所グラフィックデザイン学科入学。
C.T.T.P (現 信藤三雄事務所) インターン在籍後2009年4月より2010年4月まで 合同会社OPERA (現 株式会社ヴィーナス・スプリング ) に在籍。グラフィックデザイナーとして勤務。
2010年4月より独立しSano Minami Design Officeを設立。
2023年から3年連続でグラフィックデザイン年鑑『MdNデザイナーズファイル』にて最前線で活躍しているトップクリエイター&次世代を担う若手デザイナー255組の1人として掲載されている。

ブランドプロフィール
STITCH HOTEL Kyoto
「STITCH HOTEL Kyoto(スティッチホテルキョウト)」は京都最大の繁華街が広がる
「四条河原町」エリアに佇むブティックホテルです。
悠久の古都が持つ歴史の重みと、西洋の馴染みあるフレンドリーさが調和した空間で、心地よく洗練されたひとときをお楽しみください。
公式サイト:https://stitch-hotel.jp/
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000032253.html
下:SMDOが提案したロゴデザイン
Logo Design Concept by SMDO

下:SMDOが提案したアメニティデザイン
The Design Concept Presented by SMDO

下:SMDOが提案したカードキーのデザイン
Card Key Design Concept by SMDO

下:SMDOが提案したショップカードのデザイン
Shop Card Design Concept by SMDO

下:SMDOが提案したウェルカムウォーターのデザイン
Welcome Water Design Concept by SMDO

下:SMDOが提案したwifi +ルームガイドのデザイン
Wi-Fi and Room Guide Design Concept by SMDO

下:SMDOが提案したコースターデザイン
Coaster Design Concept by SMDO

下:SMDOが提案したDDカードのデザイン
DD Card Design Concept by SMDO

下:SMDOが提案したWEBサイト用のイラストレーション
Website Illustration Concept by SMDO

下:SMDOが提案したフロアガイドのデザイン
Floor Guide Design Concept by SMDO

下:SMDOが提案した基準階共用部部屋案内のサインデザイン
The Signage Design Concept for Standard Floor Common Area Room Guide Presented by SMDO

下:SMDOが提案した基準階共用部部屋番号のサインデザイン
The Room Number Signage Design Concept for Standard Floor Common Areas Presented by SMDO

下:SMDOが提案した避難経路図のデザイン
Evacuation Route Map Design Concept by SMDO

下:SMDOが提案した土足厳禁のサインデザイン
The “No Shoes Allowed” Signage Design Concept Presented by SMDO

下:SMDOが提案したトイレ入り口のサインデザイン
Entrance Sign Design for Restrooms by SMDO

下:SMDOが提案した男女トイレのサインデザイン
Men’s and Women’s Restroom Sign Design Concept by SMDO

下:SMDOが提案した階段のサインデザイン
Stairway Sign Design Concept by SMDO

下:SMDOが提案した基準階共用部リネン庫のサインデザイン
The Linen Storage Signage Design Concept for Standard Floor Common Areas Presented by SMDO

下:SMDOが提案した非常階段のサインデザイン
Emergency Stairway Sign Design Concept by SMDO

下:SMDOが提案したティザーサイトのデザイン
Teaser Website Design Concept by SMDO

下:SMDOが提案したWEBサイトのデザイン
Smartphone Website Design Concept by SMDO

下:実際の撮影風景の様子
STITCH HOTEL Kyoto Shooting scenery
ホテルブランド 担当事例

ロゴとWEB制作におけるアートディレクション、デザイン

ロゴとWEB制作におけるアートディレクション、デザイン

webサイト制作と、illi Grop illi Shimokita、illi Nakanoのロゴ制作

webサイトアートディレクション、デザイン
SMDO×MATSURICA interview


アートディレクター・佐野みなみとイラストレーター・MATSURICA
SMDOでのクライアントワークについて語る
SMDOで活躍するイラストレーター・MATSURICA氏と、SMDO代表の佐野みなみ。対談を通じて二人の人となりからクリエイティブへの想い、SMDOのアートディレクションの特徴や少し変わったシフト制など、SMDOの実際について語ります。
また、MATSURICA氏が手がけたSMDOの愛猫・nomiとmuuのアート作品についても、どんな経緯で制作することになったのか、制作時の思い出などを振り返ります。
執筆:Yuri Tozaki

イラストレーター
MATSURICA
デジタルアーティストであり、イラストレーター、そして画家である。
2001年に茨城県立取手松陽高等学校美術科(日本画専攻)卒業後、独学でデジタルアートを習得。
20歳でイラストレーターとして独立後、クライアントワークを中心に行う。2007年に関東、関西の2画廊にて作品の委託販売が始まり、画家としてオオカミとカラスの旅をテーマとしたの作品を描き続ける。現在は制作活動をしながら本の装丁画などのクライアントワークを併行して活動中。

Sano Minami Desogn Office 代表/アートディレクター
佐野 みなみ
1983年11月03日生まれ。東京理科大学理学部化学科卒業 東京理科大学大学院理学研究科 化学専攻中退
その後、第一種特待生としてバンタンデザイン研究所グラフィックデザイン学科入学。
C.T.T.P (現 信藤三雄事務所) インターン在籍後2009年4月より2010年4月まで 合同会社OPERA (現 株式会社ヴィーナス・スプリング ) に在籍。グラフィックデザイナーとして勤務。
2010年4月より独立しSano Minami Design Officeを設立。
2023年から3年連続でグラフィックデザイン年鑑『MdNデザイナーズファイル』にて最前線で活躍しているトップクリエイター&次世代を担う若手デザイナー255組の1人として掲載されている。
MATSURICA氏は仕事中に「小さな佐野みなみ」を宿している?
佐野:MATSURICAさんは、SMDOにイラストレーターという形で所属されていますが、SMDOを知っていただいたきっかけはどういう経緯でしたか?
MATSURICA:ホームページを偶然見つけて、それでイラストレーターを募集されていたので問い合わせをしました。元々は画家業をやっていたのですが、それを一度止めて、クライアントワークをするイラストレーターとしてやっていこうと思っていたタイミングでした。
今まで対企業とのやり取りってやってこなかったので、新しいことにチャレンジしたいと思っていました。
佐野:ご自身のアート活動を完全に辞められたわけではないですよね。
MATSURICA:絵を売るという活動自体が少し虚しくなってきていたタイミングでもありました。
なので一度作家活動は休止してみようと思って、イラストレーターにチャレンジしてみることにしたんです。
佐野:MATSURICAさんは、SMDOに参加していただいてからどれくらいになりますか?
MATSURICA:確か2023年9月からだったと思うので、1年半くらいですかね。佐野さんが、私の人生において初めてのタイプの方なので、圧倒されるというか。パワーとセンスと、いろんなことが初体験という感じでした。一緒にやっていて面白いですし、嬉しいです。今、私自身の満足感がすごいんですよ。
佐野:ありがとうございます(笑)。どんなところが他の人と違うと感じるんですか?


MATSURICA:佐野さんのアートワークって、理系出身なこともあって研究の要素が入っている感じがして。デザインを感覚でやるというよりも、研究して突き詰めていくようなイメージ。あとは、佐野さんと出会ってから私のアートワークに対する意気込みも全然違ってきて。
自分の中に“小さな佐野みなみ”がいるんです。
その小さな佐野みなみを宿すと、冴えてくるような気がする。
自分のアートワーク制作時にも「これ佐野さんだったら絶対ダメって言うだろうな」という違和感を感じる時があるんです。
普通はどこがおかしいのか、パッと見は嫌なんだけど何が嫌なのかすぐにはわからないんですよね。だからクリエイターはみんな困るんですが、佐野さんはそこを見抜くんです。
佐野:小さな佐野みなみを宿すって言葉めちゃくちゃキャッチーなので採用していいですか?(笑)
MATSURICA:デザインの構図や色だったり、その違和感がなぜパッとわかるんですか?
佐野:一つには、数をこなしてきたというのがありますね。
うちにはデザイナーが約20人いるんですが、それなりに入れ替わりもあり、いろんな人のデザインを見るようになります。そうすると「いいな」と思う人のデザインと、経験のない人のデザインとでバランスの取り方も決定的に違ったりするんですよね。あと、デザインの組み立て方も、MATSURICAさんがおっしゃられた通り私は割と理系的に考える癖があるんです。
マージンの取り方に一つとってみても、二つのコンテンツがあるんだったら、二つのコンテンツだってわかるようなマージンの取り方をしないといけない。そこができてないと全体のデザインが散漫になってくるんです。ただ、高校時代から鉛筆画をずっとやってたっていうところもあって、私にもアーティスト気質な部分もある。絵を描く人の気持ちにもなろうと思えばなれるし、理系的な考え方をする部分もある。そういうバランスがもしかしたら、良い相互作用を生んでいるのかもしれませんね。


– デザイン的に「違う」箇所が
すぐにわかるのが佐野のディレクション
佐野:今まで様々な案件で活躍いただいていますが、一番最初にお願いした案件は何でしたっけ?
MATSURICA:GODIVAのパッケージイラストのお仕事だったと思います。
桜のイラストや、他にもすごい量のイラストをご依頼いただいた思い出があります。イラスト案だけでも「すごい量だな」と思いましたけど、不満は全くなくて、ここまで案出しをするデザイン事務所って他にないんじゃないかな、と思ったのを覚えています。
そこで「SMDOでは徹底的にやるんだな」ということが体感できましたね。
佐野:ありがとうございます。
MATSURICA:あと、お菓子の形状案を出すところまででしか関わっていませんが、THE Petalの案件が進行している状況を横目で見ていて、結構サクッと「ここ違う」「ここ違う」って佐野さんが指示を入れているのを見ていて「判断が速いなぁ」と思ってましたね。
通常のデザイナーの方でも「何か違う」はわかるんだけど、じゃあどこが違う、までわかるのに時間がかかるものじゃないですか。
それをサクサク進めて行くのが、佐野さんが他の人と違うところだと思います。


佐野:私、すごいせっかちなんですよ。だから「迷ってる時間がもったいない」と思っちゃう。
一度にやってる案件数が多いときは二十数個くらいあるんです。それだと迷ってられない、という事情もありますね。進まなきゃ終わらないから。
あとは自分の中で確固たるイメージがあることがほとんどなので、それにたどり着くように制作しているので判断はしやすい。明確なビジョンがある、というのは判断が速いと言われる一つの要因かもしれませんね。
また、毎日何名ものスタッフに向けて、365日何年も指示動画を撮り続けていると、そのデザインやイラストについてどう進行すべきか脳内で瞬時に整理・言語化して、順序立てて話す癖がついているというのもあると思います。
実はMATSURICAさんは、私の求めているビジョンを察知する能力がSMDOのスタッフの中でもかなり高いんです。あとは表現の幅も広いですよね。
自分の得意なテイストだと作業が速いけど、苦手なジャンルだとなかなか進まない方もいますから。MATSURICAさんは3Dテイストでも絵画テイストでも何でもいけるから、難易度が高いイラストの制作依頼が来たときはまずMATSURICAさんにお願いするようになってきてしまった(笑)。
他のイラストレーターさんの場合には得意なテイストをお任せしていますし、それが本来想定しているスタイルでもあるのですが、MATURICAさんは3Dやステンドグラスのようなテクスチャまで対応ジャンルの幅がかなり広いのでクライアントワークにおいてはとてもありがたい話ですよね。
MATSURICA:Photoshopの技術というか、表現には自信があるんです。
こうしたいというビジョンを見せていただいた際に、どうアプローチをするとここにたどり着けるのか、というのは理解できている自信があります。
それでも毎回、SMDOから依頼を受けるときは自信がないです。今度こそ描けないかもしれない、と思っている。


佐野:今までお願いしたお仕事の中で大変だったなとか、逆にやりやすかったと思うものはありましたか?
MATSURICA:やりやすいのは、リアルテイストなイラストですね。何も考えずにリアルに描けばいいだけなので、手を動かせば終わる。逆に大変だったのは、Photoshopでできない布の質感を表現してくれという依頼とか。あと、ちぎり絵をオーダーされたときも結構大変でしたねぇ。どうやってちぎりを絵に表現しよう、とすごく悩みましたから。
描くっていうよりは素材感で表現して、というオーダーがたまにありますよね。ステンドグラス風とか。ああいうのは結構ひねり出して、どこから手をつけようかな、と考えながら作業しています。
佐野:ステンドグラスのイラストは、上がってきたときに本当に素晴らしいなと思いました。
「MATSURICAさん、本当に何でも行けちゃうんだ」と。そこからどんどんオーダーが厳しくなっていった記憶があるんですけど(笑)。GODIVAの桜パッケージのイラストもお気に入りとおっしゃってましたね。
MATSURICA:初めはあまりにも今までのプロダクトの雰囲気とかけ離れていたので「これでいいんだろうか?」「ちゃんと形になるのかな?」と思いながら制作していて。自分の中で先の見えない恐怖感がある中でイラストを渡したら、すごい綺麗になって出てきたので「ああ良かったんだ」と。


佐野:これ、MATSURICAさんのパワーももちろんですが、これを構成してくれるデザイナーさんのパワーもありますからね。イラストとデザインのコラボレーションですごくいい形になったと思います。例えば、SMDOのスタッフの福岡さんという方がいるんですが、彼女のセンスは私も大好きなんです。
MATSURICA:nomiちゃんとmuuちゃんの名刺を作られた方ですね。
佐野:そうです。イラストをMATSURICAさんが描いて、それを福岡さんが名刺の形に仕上げてくれたんですよね。インスタにアップしたら大好評で、商品化してくれって連絡が来たり。名刺を商品化ってどうやって?って(笑)。nomiとmuuの特徴も捉えてくれてて可愛いですよね!
これもイラストとデザインの良いコラボレーションの形でした。
ポップアート的かつレトロなデザインで、SMDOならではの遊び心と独自性に富んだデザインになりましたね。

– SMDOのアイドル猫・nomiとmuuのイラスト制作の依頼を受けて
佐野:MATSURICAさんにnomiとmuuの絵を描いてもらいたいなという気持ちが、名刺を制作した頃から湧いてきて。閑散期の頃合いを見てMATSURICAさんにイラストをお願いしたんです。最初に絵をお願いしたいってご連絡した時はどう思われました?
MATSURICA:すごくドキドキして、私が描いていいのだろうか、という気持ちもありました。佐野さんはきっといろんなイラストレーターさんを知っているだろうし、私なんかでいいのかしら、と。でも、私自身もやりたいと思ったんですよね。
佐野:見ててジーンと泣けてくる、すごくドリーミーな感じに仕上げていただいて。イラストのポイントやこだわりはありますか?
MATSURICA:ちょっと霞がかった感じに仕上げていて、遊び疲れた後の「さあ、そろそろお家に帰ろうかな」という雰囲気をイメージしました。黄昏ているような。


佐野:遊び回って、疲れてポテッと砂浜で日向ぼっこしてるみたいな、そういうイメージでお願いしたので、よくぞ再現してくださいました。
仮タイトル『シティーハンター』についてはどうですか?
MATSURICA:最初のイラストと対比して、街の雰囲気を出したいな、と思って。
ドコモタワーっぽいタワーを描いて、新宿の街をイメージしたり。SMDOのオフィスの角部屋をイメージしているところもあるんですよ。
ビルにお母さんが住んでいて、そこから二匹は海に遊びに行くストーリーなんです。
佐野:大きく印刷して部屋に飾ってます! わがままを聞いてくださり、ありがとうございます。


– SMDOのシフト制はデザイン事務所では画期的?
佐野:SMDOに参加してみて、ワークスタイルについては何か思うところはありますか?
MATSURICA:他のお仕事では納期を提示されて発注、が一般的だと思いますが、SMDOは時間区切りのシフト制なので、そういう方式をとるのは珍しいと思いました。おかげで、どんなに修正があってもモヤッとすることが少なくて助かってます。デザイン事務所のシフト制はなかなか画期的なシステムだと思いますね。
佐野:モヤッとしないのは、時間の区切りがあるからですか?
MATSURICA:ある程度時間をかけて納品したものに後からリテイクが入ると「あれだけ頑張ったのに」という気持ちが生まれてしまう。時間がなくなってくると焦っちゃうし。SMDOのお仕事の場合は、じゃあここまで描いたけど、イチからリテイクになった場合はそこまでの分は稼働としてカウントしますと。そういうやり方をしてもらえると、クリエイターにとってはやはり助かりますね。
佐野:うちのスタイルでやっていける人は、確かな技術力がある人じゃないと無理なんですよね。私がオーダーしたことに対して時間がかかっちゃう人だとうちでやっていけないんですよ。
MATSURICAさんのように技術や表現の幅があって、ペースも速い人だと、私もお仕事をたくさんお願いできるし、修正の分をお支払いしても損した気持ちにはならないです。
MATSURICA:SMDOでは「ここまで時間かけちゃったのに、どうしよう」というのが、全くないです。




佐野:SMDOは時給的にすごく高いわけじゃないし、そんな中でやっていただいている分、かけた時間に対して支払う、というスタンスは絶対守らなきゃいけないと思っています。ディレクターってそういう部分を決める人でもあると思うんで。だから、クリエイターさんの立場でそこを良いと言ってくださるのは、私もこういう働き方にして良かったと思いますね。
MATSURICA:SMDOは今後、どんな事務所になっていくんですか?
佐野:デザイン事務所を立ち上げて15年目になりますが、実は今、得意な分野がだんだんわかってきた時期なんですよ。チープな言い方かもしれないですけど、我々が得意な分野は大きな企業やブランドさんの案件。誰もが知っているような有名企業さんの案件が相性が良いんですよね。
MATSURICA:そうですね。わかります。


佐野:高級感とか、あたたかみのあるプレミアム感というのは、私は常に意識してるんですけど。そういうものを求めているクライアントさんは大きな企業さんが多かったり。
私の仕事のやり方も、例えばロジックを元に様々な検証をして多めに案を出すケースなどは、大きい企業さんにとって安心感につながる部分もあると思うんですよね経営層の合意形成をとりやすいなど。
たくさんの検証の上で多くの案を出すには見積もりもそれなりにはなってしまうんですが、それでもリピートしてくださるクライアントが多いですし、結果大きい企業さんとの相性が良い。
今後は、私としてもそうした案件を増やしていきたいと思っています。
MATSURICAさんは、今後どんなお仕事をしたいなどの希望はありますか?
MATSURICA:そういう大きなクライアントさんや代理店さんと、私たちがチームになって佐野さんの得意な分野でパッケージを作るというのは、理想的なお仕事の形ですよね。
私もそうしたお仕事をたくさんしていけるといいなと思います。
佐野:ありがとうございます!
大きな案件にはそれだけ時間がかかりますし、作るだけじゃなくて売らないといけないので、PRやマーケティングなど、そういうところも大切ですよね。
デザインの力だけでは難しいところもありますが、今後もクライアントと協力し合ってブランディングをやって行きたいですね。

『THE Petal』 interview【Part2】


「花束の代わりにTHE Petalを」
ヴィジタンティーヌ誕生秘話【Part2】
ミシュラン三つ星シェフの江﨑 新太郎氏が代表取締役会長として、お客様に「おいしい」という喜びと共に「健康」をお届けするビジョンを掲げて2014年に創業した株式会社おいしいプラス。
創業以来フードテック事業(主に、お弁当事業)を展開してきたが、2025年に新しくスタートするのが新事業の『THE Petal』だ。「花束の代わりにTHE Petalを」をテーマに、低糖質でおいしい、贈り物として喜ばれるギフト用焼き菓子をオンラインで展開する。
Sano Minami Design Office(以下SMDO)では2018年に冷凍弁当事業のリーフレットデザインを担当したことを契機に、おいしいプラスと様々なコラボレーションを展開。今回は『THE Petal』のブランドデザインコンセプト策定から商品開発秘話まで様々なお話を、株式会社おいしいプラスの伊東社長(伊東修、代表取締役社長)、吉村部長(吉村健人、製造統括部 部長)にお話し頂く。【Part1こちら】
インタビュアー・執筆:Yuri Tozaki
「THE Petal」の実績ページはこちらからご覧ください。
https://sanominami.com/project/the-petal/

株式会社おいしいプラス/代表取締役社長
伊東 修
2002年:野村證券株式会社入社。全国同期3年連続営業成績トップ。
3年目にして全国7年次以下全社員中営業成績トップ(野村証券史上初)。
2006年:米モルガンスタンレー証券会社入社。機関投資家、上場会社、未上場会社等の法人営業に従事。
2008年:リーマンショック等未曾有の金融危機の中、ヴァイスプレジデント昇格。
2013年:株式会社クラウドファンディング創業。
2014年:株式会社おいしいプラス創業。
出身:神奈川県
趣味::四季報を読むこと

株式会社おいしいプラス/製造統括部部長
吉村 健人
2010年:株式会社ひらまつ入社。サンス・エ・サヴ―ルに配属。
料理からデザートまでの一通りを学ぶ。ここでの修業が自身の料理の原点となる。
2015年:ロイヤルホールディングス株式会社入社。
ロイヤルコントラクトサービス株式会社にて、伊勢丹新宿本店 イセタンダイニングに配属。
入社半年で副料理長、約1年で料理長となる。多種多様なジャンルの料理を学び、作り上げる。
2023年:株式会社おいしいプラス入社。

Sano Minami Desogn Office 代表/アートディレクター
佐野 みなみ
1983年11月03日生まれ。東京理科大学理学部化学科卒業 東京理科大学大学院理学研究科 化学専攻中退
その後、第一種特待生としてバンタンデザイン研究所グラフィックデザイン学科入学。
C.T.T.P (現 信藤三雄事務所) インターン在籍後2009年4月より2010年4月まで 合同会社OPERA (現 株式会社ヴィーナス・スプリング ) に在籍。グラフィックデザイナーとして勤務。
2010年4月より独立しSano Minami Design Officeを設立。
2023年から3年連続でグラフィックデザイン年鑑『MdNデザイナーズファイル』にて最前線で活躍しているトップクリエイター&次世代を担う若手デザイナー255組の1人として掲載されている。

チャレンジャー精神に溢れた環境で
より高みのデザインを目指す
− 佐野さんの方でお菓子のコンセプトなどを吉村さんに相談しながら作り上げていったということですが、吉村さんがプロダクトを作り上げる中で「大変だ」と思われたシーンはありましたか?
吉村部長:我々おいしいプラスの社の雰囲気もあると思いますが、チャレンジ精神が強く抵抗感なく挑戦できる環境なので、達成感の方が強いんですよ。
『THE Petal』の商品開発の初期は、様々な形の試作品を佐野さんに送りつけて、食べていただきながら味の感想をいただいていました。
ブランドのイメージと合うかなどの感想のやり取りも、お弁当事業とも並行してだったので手が回りきらない時もあったんですけど、楽しみながらやれました。
佐野:私がおいしいプラスさんのチャレンジ精神をまさに感じたのが、パッケージ制作のシーンで。
普通の企業さんのパッケージ制作は「予算をいかに抑えるか」が重要なので、紙も本当は贅沢なもの使いたいけど「もうちょっと安いのになりませんか?」と言われたりする。
だけど、おいしいプラスさんは逆なんですよね。予算を考えてこの辺りの紙でどうですか?と提案したら「いや、佐野さんがいいと思うもので提案してほしい」と言われて。
レザー調の紙とか、普段なかなか私たちも使えない紙を使わせていただいて。
大きな企業さんだとロットも多くなりがちなので、絶対使えないような紙も使わせていただいたりして、私たちも楽しみながらデザインをやらせていただけました。
そうした部分でもチャレンジ精神が伝わってきて、本当にプロダクトに妥協なくいいものができたのではないかと思いますね。
下:パッケージに使用する用紙の検証

下:SMDOが提案したパッケージデザインの色検証の一部



−双方でより良いものを、とお互いに意見交換した結果が花開いたということなんですね。
佐野:『THE Petal』を作る中で吉村さんが何度も何度も試作品を送ってくださって、フレーバーや味に関しても感想をぜひ教えてほしいとおっしゃるので、私も遠慮なしで色々と伝えたんですけど。
それでどんどん商品自体リッチになって、見た目もどんどん華やかになっていって。そのブラッシュアップ感が、この1年でパッケージもそうですし、中身もギフトに最適なものになったなと感じます。
− SMDOからおいしいプラスに出された提案で、印象に残ったものはありましたか?
吉村部長:一つ返したら、佐野さんの方からすごいスピードで倍返してきてくれる楽しみがありましたね。
遠慮して言ってくれない取引先もたくさんある中で、本当にこういうデザインでやりたい!という気持ちもまっすぐ伝わってきたので。




− 異様なレスポンスの速さが印象に残ってるんですね(笑)。
吉村部長:バンバン打ち返してきてくれるから、ちょっと大変でした(笑)。でも、その打てば響く感じがすごく楽しかったです。
伊東社長:SMDOは、佐野さんがいいと思ってないとダメだ、という姿勢がすごく特徴的だと思っていて。だから仕事としてやっている以上は、いいと思ってるものしか出てこないだろう、という信用がすごくあります。
そこに対して疑ったことはないし、いつでも最高のクオリティで出てくるのがSMDOの良いところだと思うんですよね。
佐野:ありがとうございます。
今までの7年間お仕事させていただいて、やっぱりおいしいプラスさん自体もとてもこだわりがあるので、例えば一つのパンフレットやリーフレットを作るのにも文言に結構修正が入るんですね。
でもそれはおいしいプラスさんがこだわって表現されることを、何度も推敲(すいこう)されているから出てくる修正なんですよ。
おいしいプラスさんにはまず、こだわりや信念というのがあるんですよね。なので、デザインに対しても「佐野さんが作るものを信じます」という姿勢で来てくれるので、そうした信頼感がひしひしと伝わってくるのが、デザイナーとしてはありがたいですね。
− SMDOとおいしいプラス、お互いのこだわりに対して信頼感があるということですね。

下:webデザインの検証の一部




パッケージのボックス形状から描き起こし
超こだわりのボックス形状
− 『THE Petal』の商品開発においてこだわった部分について教えてください。
吉村部長:一番は、やはり化学調味料・着色料・保存料・香料を使わないで宝石のようなツヤ感などを出すこと。
デザートにおいてきらびやかさを表現するためには、一般的には砂糖や添加物の粉を使いながらテクスチャを出すんです。
添加物を使わないと、安定しない部分もある。濃度が緩くなったり、時間をかけて解凍したら結局水みたいになっちゃったりとか。そういったところを解決しながら、いかにそういったものを扱わずに再現するか…
『THE Petal』で一番こだわったのはヴィジタンティーヌのイチゴ味です。
イチゴのペクチンという栄養素があるんですけど、科学的な面も考えながら煮詰め度合いや裏濾しの仕方を工夫し、透明性を出しながらいかにクリアな赤色の宝石のようなテクスチャーを出すか。
そういった部分を考えながらお菓子の形も考えて開発していくわけです。
自然で濃縮されたイチゴの香り、適度な酸味を残したフレーバーを出すことにはこだわったので、そこをぜひ味わって欲しいです。
− ありがとうございます。幾何学の形をお菓子で再現するプロダクト開発の苦労についてもお聞かせいただけますか?
吉村部長:生地の出し方…型に対して角やへこみなどのラインがしっかり出るように生地を調整するのが大変でしたね。
最初の生地では苦労したので、お花のイメージのふんわり感が出るように、軽い生地にしていこうと。
フィナンシェとヴィジタンティーヌって、実はほぼ同じお菓子で、製法が若干違うだけなんですよ。
ヴィジタンティーヌは、フィナンシェから卵白の使用法を変えたもの。フランスの伝統菓子ですが、ほぼほぼ同じ材料なんですよ。
なので、角のフォルムをしっかり出すためにフィナンシェよりもヴィジタンティーヌの生地の方がいいのではないかと思い、ヴィジタンティーヌを選びました。
佐野:『THE Petal』のビジュアルイメージでも伝えている幾何学感を形で表現してくださって、鋭利な角感も表現されている。私の提出したラフデザインから、とても素敵にブラッシュアップされたなと思いました。

下:商品に同梱するフレーバー紹介のリーフレット

下:ダンボールデザインの検証の一部



− 今回のブランドデザインを制作する中で、佐野さんが特にこだわった箇所を教えてください。
佐野:パッケージのボックス形状ですかね。
中身の構造をパッケージ屋さんと相談をしてイチから作成しました。
開けた時にゴテゴテとしてる箱形状は、私自身はテンションが下がってしまうタイプなんです。
パッケージ会社さんから試作が送られてきたものに対し、私の方でよりシンプル化した構造のアイデアをパッケージ会社の担当さんに伝え、CDディスクのような紙の土台を出っ張らせた爪の上に置くような構造になりました。
パッケージの外側だけじゃなく、中身の設計部分もシンプルな構造にするようこだわりましたね。

下:形状の検証

下:実際に商品化された形状


−パッケージの構造自体を考えられることは結構あるものなんですか?
佐野:他のデザイン事務所ではどうかわかりませんが、SMDOではたまにありますよ。プロダクトデザイン事務所ならやるかもしれませんね。
元々私は理系出身なので、自身で図面を引いたり展開図を描いてしまって、パッケージ屋さんに投げることも過去には数度ありました。
− おいしいプラスがSMDOに依頼して一番良かったと思ったところはどんなところですか?
吉村部長:私はレストラン上がりなので、料理の構想が外見やカトラリー、お皿などに引きずられる部分があります。なので、いくらお菓子が美味しく作れてもやっぱりギフトのラッピングだったり、開けた瞬間のシチュエーションやストーリーがないと何も響かない。
料理人の顔が見えると同時にお皿を作った人の顔も見えるイメージでしょうか。
なので、僕がSMDOに依頼して一番良かったなと思うのは、そういった感性に対して全て受け答えしてくれるところでした。
佐野さんのテーマに合わせて料理をストーリー化させていくっていうのは、かなり楽しかったです。
佐野:私はお菓子のことを何もわからずに幾何学模様のデザインを出したりするんですけど、それにすごく寄り添っていただき、楽しんで開発してくださったのかな、と思います。
お互いにやり取りして構築していく関係がとても心地良かったですね。

下:箔押しの検証

下:SMDOが提案したロゴデザインの一部

−『THE Petal』の今後の展望をお聞かせください。
伊東社長:おいしいプラスというストーリーの元で、次の商品や新しいお菓子を出していけたらいいかなと思います。
世の中を健康にするという我々の指針がありますが、『THE Petal』のヴィジタンティーヌは普通のフィナンシェと比べて糖質は約半分。これが人気のお菓子として世の中に広まることは、勝手に世の中が健康になっていくと信じています。
おいしいお菓子の一つの選択肢として、世の中に定着していきたいと思っています。
吉村部長:お弁当の方は糖尿病の人でも食べられるレベル感のものですが、お菓子の方も罪悪感なく食べられるものになればいいなと。
低糖質、低塩分というのはおいしいプラスのプロダクトとして定義づけているものなのですが、かつそれで、いつも食べてるものと同様かそれ以上においしいものじゃないと商品化しないと決めているんです。
そうした『THE Petal』に込めたこだわりを、やっぱり伝えたいところですね。
ただおいしいだけのものを作るのは簡単で「低糖質でおいしいものを作る」のはめちゃくちゃ難しい。なので、日々チャレンジです。人類がたどり着いていないものにたどり着きたい。その努力が楽しいんです、私たちは。

下:リーフレットデザインの検証の一部

下:ショッパーデザインの検証の一部


佐野:私も元々化学の研究をしていましたが、失敗続きで成果が出ないことが辛くて辞めた人間なんですよ。
でもデザインは、何度も検証しても楽しくて苦痛じゃない。吉村さんが何度もヴィジタンティーヌの試作をしてくださったように。
向いてる分野が料理かデザインかの違いだけで、吉村さんと私は似てるのかも。だから、フィーリングがマッチしてる部分があるのかもしれないと、お話を聞いて思いました。
吉村部長:あの形にたどり着くまでに焼いた数でいえば、約5000個ほどあります。一回の試作12個を焼くのに使う時間は2〜3時間。それを単純に5000 個分繰り返したとしたら、約3ヶ月くらいが試作にかかった時間です。
佐野:パッケージに使う色の検証も、ファイルの中にあるだけで組み合わせは100色近くあります。さらにその中から精査してセレクトした上で『THE Petal』側に提案させていただいている。
こうしたお互いのやり方を考えても、吉村さんと私の感性は近いものがあると思います。
− お互いが感性の部分で噛み合った結果、良いプロダクトの出力につながったのですね。
佐野:そうだと思います。


− 最後に、佐野さんから『THE Petal』がこんなプロダクトに育ってほしい、という希望があれば聞かせてください。
佐野:伊東社長がおっしゃったように、ギフトをあげるときに相手のことを本当に想っていたら、添加物だらけなものはあげられない。
ギフトっていうのは本当に相手のことを想ってあげるもので、それが身体にもいい、ちゃんとおいしいものだというのが本当のギフトの形だと思うんです。
「優しいギフト」というワードがすごくいいなと思ったんですけど、そうした『THE Petal』の理念が世の中にしっかり伝わればいいなと思っています。
見た目やパッケージももちろんこだわっているのですが、もらった人が心の底から幸せになれるギフトとして、広まってほしい。
伊東社長:贈った相手の健康を考えた上で、こだわり抜いて作られている。
ビジュアルも味も食感も形も、妥協なしで最高のものができたと自負していますし、おいしいプラスのこだわりが良い形で世の中に伝わったらいいなと思っています。
ー 貴重なお話を、ありがとうございました!



ブランドプロフィール
おいしいプラス / OISHII PLUS
「おいしさ」と「からだにやさしい」を両立する、
お菓子とごはんの新しいあり方を提案するフードブランド。
“やさしいのに、ちゃんとおいしい。”をコンセプトに、
日々の生活を彩るプロダクトを開発しています。
自然素材へのこだわりと、妥協のない味づくりで、
心まで満たされる食体験をお届けします。
公式サイト:https://shop.oishiiplus.com/

THE Petal webサイト
スイーツブランド 担当事例

ロゴ、パッケージBOX、ショッパー、リーフレットのアートディレクションとグラフィックデザイン

リブランディングにおけるクリエイティブ全般のクリエイティブディレクション、アートディレクション、グラフィックデザイン等
『THE Petal』 interview【Part1】


「花束の代わりにTHE Petalを」
ヴィジタンティーヌ誕生秘話【Part1】
ミシュラン三つ星シェフの江﨑 新太郎氏が代表取締役会長として、お客様に「おいしい」という喜びと共に「健康」をお届けするビジョンを掲げて2014年に創業した株式会社おいしいプラス。
創業以来フードテック事業(主に、お弁当事業)を展開してきたが、2025年に新しくスタートするのが新事業の『THE Petal』だ。「花束の代わりにTHE Petalを」をテーマに、低糖質でおいしい、贈り物として喜ばれるギフト用焼き菓子をオンラインで展開する。
Sano Minami Design Office(以下SMDO)では2018年に冷凍弁当事業のリーフレットデザインを担当したことを契機に、おいしいプラスと様々なコラボレーションを展開。今回は『THE Petal』のブランドデザインコンセプト策定から商品開発秘話まで様々なお話を、株式会社おいしいプラスの伊東社長(伊東修、代表取締役社長)、吉村部長(吉村健人、製造統括部 部長)にお話し頂く。【Part2こちら】
インタビュアー・執筆:Yuri Tozaki
「THE Petal」の実績ページはこちらからご覧ください。
https://sanominami.com/project/the-petal/

株式会社おいしいプラス/代表取締役社長
伊東 修
2002年:野村證券株式会社入社。全国同期3年連続営業成績トップ。
3年目にして全国7年次以下全社員中営業成績トップ(野村証券史上初)。
2006年:米モルガンスタンレー証券会社入社。機関投資家、上場会社、未上場会社等の法人営業に従事。
2008年:リーマンショック等未曾有の金融危機の中、ヴァイスプレジデント昇格。
2013年:株式会社クラウドファンディング創業。
2014年:株式会社おいしいプラス創業。
出身:神奈川県
趣味::四季報を読むこと

株式会社おいしいプラス/製造統括部部長
吉村 健人
2010年:株式会社ひらまつ入社。サンス・エ・サヴ―ルに配属。
料理からデザートまでの一通りを学ぶ。ここでの修業が自身の料理の原点となる。
2015年:ロイヤルホールディングス株式会社入社。
ロイヤルコントラクトサービス株式会社にて、伊勢丹新宿本店 イセタンダイニングに配属。
入社半年で副料理長、約1年で料理長となる。多種多様なジャンルの料理を学び、作り上げる。
2023年:株式会社おいしいプラス入社。

Sano Minami Desogn Office 代表/アートディレクター
佐野 みなみ
1983年11月03日生まれ。東京理科大学理学部化学科卒業 東京理科大学大学院理学研究科 化学専攻中退
その後、第一種特待生としてバンタンデザイン研究所グラフィックデザイン学科入学。
C.T.T.P (現 信藤三雄事務所) インターン在籍後2009年4月より2010年4月まで 合同会社OPERA (現 株式会社ヴィーナス・スプリング ) に在籍。グラフィックデザイナーとして勤務。
2010年4月より独立しSano Minami Design Officeを設立。
2023年から3年連続でグラフィックデザイン年鑑『MdNデザイナーズファイル』にて最前線で活躍しているトップクリエイター&次世代を担う若手デザイナー255組の1人として掲載されている。
「おいしい」と「健康」をつなげるブランドの新ラインをプロデュース
−本日は、SMDOがコンセプトデザインから入られたおいしいプラスのニューブランド『THE Petal』についてお話を伺います。よろしくお願いします。
伊東社長:おいしいプラス 代表取締役社長・伊東と申します。
吉村部長:おいしいプラスの製造統括部 部長の吉村です。よろしくお願いします。
僕は株式会社ひらまつでフレンチレストランで見習いから料理人のキャリアをスタートし、レストランパティシエ、前菜から肉料理、ソースまで一通りの経験を積んだ後、ロイヤルホールディングスの伊勢丹ダイニングに転職し料理長に。
その後、おいしいプラスに入社する形になりました。

−おいしいプラスはミシュラン三ツ星シェフの江﨑さんによってお客様に「おいしい」という喜びと共に「健康」をお届けしたいという想いで創業されたということです。
佐野:ミシュラン三つ星シェフである江﨑さんを筆頭に、フレンチの名店で鍛えられた吉村さん率いる最強の布陣の中で『THE Petal』は初めておいしいプラスがプロデュースしたお菓子のブランドなんです。
もともとは、おいしいプラスの冷凍弁当パッケージデザインや、アートディレクションをSMDOにご依頼いただいたのが出会いでした。もう7年近いお付き合いになります。
改めて江﨑さんと伊東さんから、新たにヴィジタンティーヌのブランドを立ち上げたいというご相談をいただいたのが今回の『THE Petal』のお話です。
株式会社おいしいプラス/代表取締役会長
江﨑 新太郎

下:7年連続三つ星を獲得しているシェフ
江﨑新太郎さんが手掛けるお弁当「OISHII PLUS」

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−『THE Petal』のブランドコンセプトについて教えてください。
佐野:私の方からはビジュアルアイデンティティに関するコンセプトをご紹介させていただきます。
ブランドキャッチコピーは「花束の代わりにTHE Petalを」。私が考案させていただきました。お花というのはギフトとして最適でよく使われますが、お花だけでなく自分へのご褒美や大切な人の贈り物で花束の代わりにこのTHE Petalを活用してくださいね、という想いを込めたコンセプトなんです。
花束の代わりにTHE Petalで心華やぐ贅沢なひと時を一口ずつ楽しんで欲しい。「あなた自身へのご褒美でも、大切な人の贈り物でも、ちょっと仲良くなりたいあの人への手土産でも」どんな用途でも使っていただけるギフトとして。
焼き菓子はギフトとしての汎用性が高いですが、自分へのご褒美で買う人も多いんですよね。なので、自分も含めた贈り物という形でコンセプトを考案させていただいています。
パッケージデザインもSMDOで制作していますが、幾何学(きかがく)模様をテーマにしており、星のようなニュアンスを持たせています。
繊細ですぐ枯れてしまうような儚いお花ではなくて、何億光年も強く光り輝く恒星のように、これから先の未来まで長く愛されるブランドになるようにという想いを込めて、星のようにきらめく幾何学でお花を描いている。こういったビジュアルコンセプトになっています。
下:佐野が考案したコンセプト

下:幾何学柄の検証

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−お菓子のプロダクトコンセプトについて教えてください。
伊東社長:まず、会長の江﨑の理念になるのですが、おいしいプラスは「おいしい」と「健康」をつなげる会社なんです。
「おいしいけど身体に悪い、おいしくないけど身体には良い」ものは、世の中にたくさんある。ただ、「美味しくて身体に良い」ものがあるようでないんですよ。
様々な食品メーカーが身体に悪いもの…添加物を食品に加えていますし、身体のことを考えたらこの栄養素もあった方がいい、じゃあ美味しくなくてもいいか、という考えで商品を作っている。
皆さん毎日ハンバーガーだけ食べたり、毎日カップ麺を食べたりしないですよね。安くておいしいけど、身体に悪いとわかっている。
つまり「おいしくて身体にいいもの」は消費者が真に求めているものなんですよね。
「おいしい」と「健康」は両立するのが難しいんですよ。
下:Styling&Propのイメージ資料



− 「おいしい」と「健康」をつなげる、その理念から生まれた新しいブランドが『THE Petal』ですか?
吉村部長:そういうことです。
特にギフトとして人に贈るものであれば「おいしくて身体にいいもの」を食べてほしい。
そうしたプロダクトを届けたいという想いから、ギフトとしても使えるお菓子ブランドが生まれたのです。
佐野:ストーリーとして優しいですよね。
身体に悪いものをおしゃれだからとギフトにするのは、実は自分のため。「おしゃれなものをあげる私」なんですよね。
本当に相手のことを想って、健康にも良くておいしくてデザインも素敵なものをギフトとしてあげるのは、すごいいいコンセプトだなと思いました。
吉村部長:今回のヴィジタンティーヌに化学調味料・着色料・保存料・香料は使っていません。
さらに、砂糖の代わりに天然果実 のラカンカを使って甘みを出しています。お菓子作りの根本である砂糖を使わないって、かなりハードルが高いんです。

− 化学由来のものは使わない、という理念ですね。
吉村部長:『THE Petal』のプロダクト開発は佐野さんと一緒に作り上げましたが、ブランドのデザインイメージをお菓子にもしっかり入れたいという僕の想いが強くて。お菓子の形も佐野さんに相談しながら、幾何学や花というテーマを表現しています。幾何学の花のセンターにそれぞれ色とりどりの蜜が入っているようなイメージで作り上げており、バターもグラスフェッドバターという乳脂肪分の濃いコクの強いバターをこだわって使わせてもらいました。
− 食べると、無添加かどうか気にしなくてもちゃんとおいしいんですよね。半解凍でアイスデザートのような形でいただけますし、バターを感じながらしっかり甘みもあって、身体にいいかどうかとは別に、単純においしいと思ってしまいました。
吉村部長:ありがとうございます。


「この名刺を作った人を紹介してください」
名刺デザインから繋がった縁
− おいしいプラスからSMDOに仕事を依頼しようと思ったきっかけをお伺いできますか?
伊東社長:佐野さんのことを知ったのは、7年ほど前なんです。
経営者同士の名刺交換会で名刺交換した方がいて。その方の名刺を作ったのが、佐野さんだったんです。
あまりにも素晴らしい名刺デザインだったので、つい「この名刺を作った人を紹介してください」ってお声掛けしてしまって(笑)。それくらい衝撃的に、私はそのデザインが素晴らしいと思ったんです。
佐野:その経営者の方から「初めて会った方なんですけど、佐野さんをぜひ紹介して欲しいってプッシュされていまして。お繋ぎしていいですか?」って聞かれて、びっくりしました。
伊東社長:その名刺はモノクロで色も少なく、シンプルでかっこいい名刺だったんです。
色もない字だけの名刺って、素人がワードで作りましたみたいになっちゃうんですよ。字だけであれだけカッコよくできるって、相当いいデザイナーなんだと思いました。
あのとき紹介してもらって良かったと思っています。
事業にはデザインがとても必要だし、経営にすごく関わると思うんですよね。それでこのデザイナーさんと一緒に仕事できたらいいなって。

− そこから『THE Petal』の構想が始まった形ですか?
佐野:最初はおいしいプラスのお弁当のリーフレットや、撮影のオーダーをいただきました。
その後おいしいプラスの冷凍弁当のパッケージやロゴ制作、パンフレット制作、ロゴデザインもご依頼いただいて。7年間の間でたくさんお仕事させていただきましたね。
7年間ずっとSMDOを信頼してくださっているクライアント様だと思って、お付き合いさせていただいてます。
伊東社長:末永くよろしくお願いします!
下:以前にSMDOが担当した
おいしいプラスのパンフレットデザイン

下:以前にSMDOが担当したweb アートディレクションとデザイン
(一部ページはSMDOでの作成はしておりません)

− 『THE Petal』のブランドコンセプトからSMDOが関わっているということですが、依頼を受けた際の感想を教えてください。
佐野:最初は伊東社長からお電話で「フィナンシェのブランドを作りたい」というご相談をいただいたんですよね。
伊東社長から「全力でお任せするので、佐野さんの良いと思うものをお菓子の形状から全部やってください」とお話をいただきまして。
例えばパッケージのアートディレクションやブランドのビジュアルアイデンティもやりますが、お菓子の形状デザインやブランドコンセプトまで入り込むっていうのはなかなかない案件なので、責任重大だなと思いました。でも、同時にすごく嬉しかったです。
実際にデザインをご提案させていただいた時も、お花をテーマにして割と王道なお花を使ったものと、今回みたいな幾何学的な攻めたデザインを両方ご提示したんですよ。
それで幾何学模様のチャレンジ案の方を採用してくださったのも、私としてはデザインの可能性をすごくご評価いただいてるようで、嬉しかったですね。

下:SMDOが初回提案したパッケージデザインの一部
(お花をテーマにして割と王道なお花を使ったもの)

下:SMDOが初回提案したパッケージデザインの一部
(幾何学的な攻めたデザイン)

下:その他検証案



− 具体的に『THE Petal』においてSMDOが担当した内容を教えていただけますか?
佐野:まず、ビジュアルに関するコンセプトメイキング。『THE Petal』というブランド名。
ロゴ制作とパッケージデザイン、ボックスデザイン。ボックスの設計自体も私がパッケージ屋さんと相談しながら考案させていただきました。
ショッパー、リーフレット、フレーバーの説明書、発送の段ボール、キービジュアル等の撮影全般、撮影ディレクションと衣装スタイリング、撮影チームのキャスティング、全体の進行管理も担当しています。
また、今度はSNSの発信をしていくのですが、その投稿イメージなどもSMDOで。あとはブランドEC サイトなどのデザイン。
そして初期段階のヴィジタンティーヌ自体の形状アイデアもデザイン画を描かせていただいたり、全体に関わらせていただいています。


− お菓子のデザインを根本から起こされた経験はあったんですか?
佐野:GODIVAさんのマカロンにプリントする柄を考えたことはあったのですが、お菓子自体の形を考えるのは私も初めてでした。
どこまで再現できるのか?と考えながらデザイン画を作りましたね。
幾何学というテーマで考えうる形をデザインとしてご用意した中で、吉村さんが実現可能そうなものをチョイスしていただいて、近づけていった形です。
下:お菓子本体の形状提案(初期段階のもの)

下:幾何学柄の方向性が決まってからの提案



ブランドプロフィール
おいしいプラス / OISHII PLUS
「おいしさ」と「からだにやさしい」を両立する、
お菓子とごはんの新しいあり方を提案するフードブランド。
“やさしいのに、ちゃんとおいしい。”をコンセプトに、
日々の生活を彩るプロダクトを開発しています。
自然素材へのこだわりと、妥協のない味づくりで、
心まで満たされる食体験をお届けします。
公式サイト:https://shop.oishiiplus.com/

THE Petal webサイト
スイーツブランド 担当事例

ロゴ、パッケージBOX、ショッパー、リーフレットのアートディレクションとグラフィックデザイン

リブランディングにおけるクリエイティブ全般のクリエイティブディレクション、アートディレクション、グラフィックデザイン等
SMDO×BELEGA interview


「結果の出るデザイン」で売上も2.5倍に
SMDOの提案力とプロダクトパワーの相乗効果
SNSで話題となり、インフルエンサーや芸能人から圧倒的支持を誇る美顔器ブランド・セルキュアシリーズ。2025年現在はベレガ株式会社の主力プロダクトとなっている。
「特別を、日常に。」をキャッチコピーに、【セルキュア4T PLUS】【セルキュア4T++】2種類のキービジュアルを2025年4月にリニューアル。ウェブサイトも完全リニューアルし、新しいスタートを切った。
Sano Minami Design Office(以下SMDO)では今回、セルキュアシリーズのリブランディング、ウェブサイト作成、撮影などを担当。ベレガ株式会社の二ノ宮様(ベレガ株式会社 セルキュア戦略室 室長)に、今回のリニューアルがどのように行われたのかなど、お話しをうかがった。
インタビュアー・執筆:Yuri Tozaki
「セルキュア4T PLUS・セルキュア4T++」の実績ページは
こちらからご覧ください。

ベレガ株式会社/セルキュア戦略室 室長
二ノ宮 麻由
ベレガ株式会社に入社後、直営店のエステティシャンとして関西店舗を中心に勤務。その後、セルキュアブランドのモデル店舗である東京・表参道店の立ち上げを任され東京店店長に就任。エステティックの国際ライセンスである『INFA国際ライセンス』を取得し、現在は直営店スタッフやお取引先サロン様に向けた美容セミナーの開催や、セルキュア戦略室・室長としてセルキュアのブランドマーケティングなどを中心に取り組んでいる。

Sano Minami Desogn Office 代表/アートディレクター
佐野 みなみ
1983年11月03日生まれ。東京理科大学理学部化学科卒業 東京理科大学大学院理学研究科 化学専攻中退
その後、第一種特待生としてバンタンデザイン研究所グラフィックデザイン学科入学。
C.T.T.P (現 信藤三雄事務所) インターン在籍後2009年4月より2010年4月まで 合同会社OPERA (現 株式会社ヴィーナス・スプリング ) に在籍。グラフィックデザイナーとして勤務。
2010年4月より独立しSano Minami Design Officeを設立。
2023年から3年連続でグラフィックデザイン年鑑『MdNデザイナーズファイル』にて最前線で活躍しているトップクリエイター&次世代を担う若手デザイナー255組の1人として掲載されている。
圧倒的なデザイン力と「結果の出るLP」が
SMDOへの依頼した決め手
ー 今回リブランディングしたセルキュア4T PLUS、および4T ++について、改めて特徴を教えてください。
ベレガ株式会社 二ノ宮様(以下 二ノ宮様):弊社のメインブランドである「CELL CURE(セルキュア)」は、自宅で、1台でサロンレベルのケアが叶う美顔器ブランドです。
その中でも特に人気の高い「セルキュア4TPLUS」は1台に4種の機能が搭載された本格派美顔器で、プロのヘアメイクさんや美容家さんなど、多数の著名人の方からご愛用いただいております。また、400誌以上の雑誌や美容本でも「プロが愛用する美顔器」としてご紹介していただいています。
また、新商品の「セルキュア4T++」は1台で7種の機能が搭載されたヘッドスパマシンで、本格的な頭皮ケアがご自宅で叶うアイテムです。
ー 今回はセルキュアのリブランディング全般をSMDOにご依頼いただきましたが、SMDOを知ったきっかけは何でしたか?
二ノ宮様:セルキュアのリブランディングを検討していた時期に、まずは情報収集からと考えてあるマーケティング展示会へ参加したんです。
そこで弊社のビジネス課題とマッチする制作会社として、SMDOをご紹介いただきました。



ー SMDOに依頼をしようと思った決め手とは?
二ノ宮様:まずは圧倒的なデザイン力。
他社との大きな違いは、ただオシャレなだけではない「結果の出るLP」を制作いただけるところだと思います。
結果に導くために、アートディレクターの佐野さんならではのロジカルに計算されたデザインがしっかり出てくるんです。制作することがゴールではなく、売上や集客など結果に繋げることをゴールに考えている、というご提案をいただき、社内でも制作の目的が明確になりとてもイメージが湧きました。
5社ほどご提案をお聞きしましたが、正直SMDOが断トツでしたね…(笑)!
佐野:ありがとうございます! そう言っていただけると嬉しいですね。
デザインのご依頼をいただく際に、まず考えなければいけないことは、「いかに美しいデザインに仕上げるか」ではなく、「いかにしてお客様にご満足いただけるデザインをご提案するか」。
それが「売り上げ」であったり「コンセプトや機能がしっかりとユーザーの方に伝わるか」であったり、そこはお客様によりけりですが、SMDOではお客様のご要望を細かく紐解き、分析し、ご要望をしっかりと踏まえた上で、プラスアルファを感じられるようなデザインをご提案することを心がけています。
ただ美しくておしゃれなデザインを作るという事だけでなく、お客様のご要望を踏まえ、なぜこのようなデザインになるかという理論とともにご提示させていただいております。
ー 二ノ宮様が、実際にお仕事をされた中でのSMDOの印象を教えてください。
二ノ宮様:初回打ち合わせから完成に至るまでの一つひとつのお仕事がとても丁寧で、佐野さんをはじめとするSMDOメンバーの皆さんのプロ意識が高く素晴らしいと感じました。
また、SMDOチームの皆さんはレスポンスがとても早く、困ったときもすぐにサポートいただけてとても助かりました。

下:撮影ディレクションの様子

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細胞のイラスト



展示会やポップアップショップなどでも
ビジュアルイメージを活用
ー 制作において特にこだわったポイントなどはありますか?
佐野:二ノ宮様からお伝えいただいたイメージがとても明確だったので、ご要望をいかにクオリティ高くビジュアル化するか、妥協なしでご提案させていただきました。
ウェブデザインについては、ご要望を踏まえた上で考えうるデザインの可能性を検証の上、お客様にご検討いただけるように複数案をご用意しています。
ー SMDOから一連のビジュアルイメージが上がってきた際の感想を教えてください。
二ノ宮様:新しいキービジュアルについては、展示会や百貨店のPOP UPなどオフラインのイベントにおいても様々な場面で使用させていただいております。
お客様の目を引くインパクトのあるビジュアルなので、イベントブース全体も洗練された雰囲気になり、立ち止まって見てくださるお客様が格段に増えた印象です。
社内スタッフからもお客様からも大変好評でした!
佐野:当初はLP制作のみのご依頼の想定でしたが、キービジュアルを大変ご評価いただいて様々なイベントで大きくご利用いただく結果となったことが、成果物にご満足いただけた何よりの証なのかなと感じています。

下:ルミネ新宿店 ポップアップ KV展開の様子



下:百貨店等でのKV展開の様子



ー SMDOに依頼して最も良かったと思ったポイントは、どこでしたか?
二ノ宮様:過去の経験では、デザインやスタイリッシュさを意識し過ぎると「伝えたいことが伝わらないLP」になってしまう印象でした。
SMDOの制作物は、オシャレなだけではなく「ブランディング」と「マーケティング」どちらの観点も意識した、100点満点のLPでした。本当に圧倒的なデザイン力と分析力です。
スタイリッシュさや高級感も叶えつつ、伝えたいことがしっかりと伝わる結果の出るLPを制作いただけて本当に感謝しております。
佐野:納品後のお客様からの反応は、どんなご依頼でもとても気になります。
今回は、二ノ宮様からダイレクトに「お陰様でLP変更してからオンラインの売上が先月の2.5倍くらいに伸びている」との喜びの声をお伝えいただけたので、とても嬉しかったですね!
また「想像以上のクオリティです。御社に依頼しなかったら絶対にこのクオリティに仕上がらなかった」ともおっしゃっていただいて、ありがたいお褒めの言葉をたくさん頂戴しました。
元々とても売れ行きのある素晴らしい商品でしたが、ヴィジュアルアイデンティティの力が相乗効果となり、プロダクト本来の魅力を十二分に発揮できたものだと思っています。
また、そうしたお客様からのお声が我々デザイナーにとって報酬以上の糧となりました。
下:SMDOが初回提案したLPデザインの一部





ー 佐野さんはセルキュア4T PLUSを実際に試されたのですよね?
佐野:そうなんです。私も40代に突入しましたので、本格的にエイジングケアも意識している最中でしたが、今回購入する決め手となったのが職業病でもある肩こり&ストレートネック対策でした。
お試しで1週間ほど貸していただいたのですが、頻繁に寝違えを起こしていたのが、使い始めてから寝違えがなくなったり、肩こりが楽になるのを身体で実感したために即購入を決めました! 金額以上の効果を感じられたと、贔屓目なしに思います。
ー 今後のプロダクトの展望を教えてください。
二ノ宮様:セルキュアは今回のリブランディングを機に、BtoB中心の卸事業から、百貨店展開やECサイトなどBtoCも強化する方向で展開することになりました。
また、日本国内だけでなく海外での展開も始まり、昨年米国FDA認可も取得しました。
セルキュアのメッセージにもあるように、美容の力はただ美しくなるだけではなく、人生を変える力があると信じております。
セルキュアが、世界中の人々の人生をより良くするアイテムとして沢山の方に愛される商品になることを願っています!
ー 素敵なビジョンを語ってくださり、ありがとうございました!





ブランドプロフィール
ベレガ株式会社
本社:〒530-0057 大阪市北区曽根崎2-5-10梅田パシフィックビルディング9F
設立:1999年3月4日
TEL :06-6379-5940
美容機器や化粧品などの製造・販売などを中心とした事業を展開する美容メーカー。自社の商品を使用した直営エステティティックサロンの運営や、エステティック国際ライセンスが取得できるスクール事業など様々な事業を展開。現在では、日本国内のみならず、米国FDA認可を取得し海外への展開も広がっている。

コスメブランド 担当事例

KV、写真撮影、web制作などのアートディレクションとクリエイティブ全般のデザイン

KV、撮影ディレクション、OOH、popのアートディレクションとグラフィックデザイン

アートディレクション

アートディレクション

フォトディレクション

アートディレクション、撮影

アートディレクション、コーディネート

アートディレクション、コーディネート、キービジュアル クリエイティブと商品撮影のアートディレクション、デザイン、イラスト作成
SMDO×JO inc. Interview


顧客の視点に寄り添いながら
SMDOと伴走した『あんこと』のリブランディング
東京の五反田・恵比寿で「酒場それがし」「鳥料理それがし」「とり口」など、和食を中心とした飲食店6店舗を運営する株式会社JOは、2021年2月に“あんこ”が主役のお取り寄せスイーツブランド『あんこと』を立ち上げた。『あんこと』は、「それがし」グループの軸でもある“和”をテーマにプロデュースしたお取り寄せスイーツブランドで、第一段の「あんこチーズケーキ」を皮切りに、系列各店でオープン当初から愛される“あんこ”にフォーカスしたスイーツをオンラインショップ限定で展開している。
Sano Minami Design Office(以下SMDO)では2022年に『あんこと』のリブランディングを担当したことを契機に親睦を深めてきた。今回は2022年の両社のコラボレーションを振り返りつつ、今後への取り組みへの想いを、株式会社JO 横尾様、横田様にお話し頂く。
インタビュアー:Naoki Kasai
執筆:Naoki Kasai/Yuri Tozaki

株式会社JO/経営企画
横尾順平
和食店「それがし」を五反田・目黒・恵比寿で展開する株式会社JOの経営企画・新規事業を担当。コロナ禍より、スイーツブランド「あんこと」を立ち上げ、オンライン限定で販売。

株式会社JO/プロモーション
横田未来
大学卒業後、広告メディア会社にて勤務。2014年よりフリーランス。広報・PR業務を手がける。「あんこと」では、WEB制作やデザイン、撮影のディレクションなど、プロモーション関連業務を担当。

Sano Minami Desogn Office 代表/アートディレクター
佐野 みなみ
1983年11月03日生まれ。東京理科大学理学部化学科卒業 東京理科大学大学院理学研究科 化学専攻中退
その後、第一種特待生としてバンタンデザイン研究所グラフィックデザイン学科入学。
C.T.T.P (現 信藤三雄事務所) インターン在籍後2009年4月より2010年4月まで 合同会社OPERA (現 株式会社ヴィーナス・スプリング ) に在籍。グラフィックデザイナーとして勤務。
2010年4月より独立しSano Minami Design Officeを設立。
2023、2024年発売グラフィックデザイン年鑑『MdNデザイナーズファイル』にて最前線で活躍しているトップクリエイター&次世代を担う若手デザイナー255組の1人として掲載されている。
SMDOに依頼したきっかけは
「ユーザーファースト」の理念
ー まずは『あんこと』様の概要と、
SMDOへリブランディングを依頼された背景をお聞かせください。
横尾様:『あんこと』はコロナ禍で立ち上げたオンラインスイーツブランドです。もともと店舗で提供していた自家製あんこスイーツがきっかけでブランド化しました。初期は社内で手弁当でデザインを進めていましたが、成長する中でプロの力を借りる必要性を感じ、リブランディングを検討しました。
横田様:その頃、佐野さんのIDMバトンの記事を拝見させて頂き、SMDOへのリブランディング依頼を検討し始めました。「主体はあくまでユーザーであり、商品である」というところが自分の中ですごくポイントになっていましたし、私と同じ考えを記事の中で語られていたところが、すごく印象的でした。そこでぜひ佐野さんにお願いしたいなと。あとは、SMDOのホームページ等を拝見させていただいた上で、SMDOはデザインだけでなく撮影やイラスト制作、音楽制作もできる。一気通貫に全体のアートディレクションができるところが魅力的だなと。
そういうSMDOに『あんこと』のブランドの世界観を含めたリブランディングを担当していただいたら、新しい世界が開けていくのかな、と思いました。そういうところも含めて安心してご相談できそうだと感じたので、勇気を振り絞ってメールをお送りしてみたのが最初のきっかけです。


ー横尾さんと横田さんからご依頼があった時の、
佐野さんの所感はいかがでしたか?
佐野:横田さんがおっしゃったIDMは、インテリアデザインミーティングという多くのインテリアや建築関係の協会が集まった団体なのですが、そのロゴやグラフィックを私が担当した際にインタビュー記事をIDMのウェブサイトに掲載していただいたんです。そのインタビューの中で「グラフィックデザインはアートとは違い分析と整理であり、クライアントがまず第一」ということをお話ししたと思うんですが、そこをご評価いただいてご連絡いただくケースというのは、実は初めてではありませんでした。この考え方がクライアントにとって喜んでいただけるものだと、確信できたことは嬉しかったです。
また、私自身も様々なスイーツのパッケージに携わらせていただく中で、和菓子のパッケージに関わりたいという気持ちを以前から持っていたので、あんこと様からご依頼をいただいたときは素直に嬉しかったですね。
お打ち合わせの中で、横田様も元々デザインの経験やクリエイティブに関する知識を豊富にお持ちで、デザインに理解があったからこそ、スムーズに進行できたのではないかと思います。


ー 『あんこと』というプロダクトに対して、横尾さんや横田さんは
どんな想いでここまでブランドを熟成されてきたのでしょうか。
横田様:私たちの取り組みは「和菓子」と「洋菓子」の隙間を攻めるようなものだと考えています。和菓子らしさを残しつつ、現代的な感覚や洋菓子のエッセンスも取り入れるという、いわば斜めからのアプローチですね。
和に寄りすぎてしまうと伝統的な和菓子ブランドと競合してしまいますし、洋菓子に寄りすぎると和菓子らしい魅力が失われる。そこで、私たちは自社の強みである「歴史」や「店舗ならではのサービス」を活かしながら、隙間市場で戦うことを意識してきました。
ー その「斜めから攻める」姿勢を、具体的に今までのプロダクトデザインへどう反映されてきましたか?
横田様:あんこは和菓子の象徴的な要素ですが、あえて“和らしさ”を前面に押し出さないようにしています。「和菓子でも洋菓子でもない」独自の立ち位置を保ちながら、モダンで洗練されたデザインやプロダクトを作ることに注力してきました。
また、ブランド運営においても社内外のリソースを活用するようにしています。私自身がディレクションを行うこともありますが、プロのデザイナーや外部クリエイターに依頼することで、さらに洗練された結果を目指しました。
金色に光る小豆で
「様々な可能性」を表現
ー 今回のあんこと様のリブランディングに関して、SMDOとしてはどんなところに注力されたか、また苦労したポイントなどをお伺いできますか?
佐野:横尾さんも横田さんもクリエイティブにはこだわりを持たれている方々です。私の考えとして「アートディレクターにはアーティスト型と分析型がいる」というものがあるのですが、SMDOは分析型だと思っていて。「私のデザインで、私色に染まってほしい」と望んでいるわけではないんです。デザイン感度の高いお二人が求めているものに、いかにしてたどり着けるかというところを緻密に分析しながら、リファレンスもたくさん集めてかなり細かくヒアリングもさせていただいたと思います。
ヒアリングをする中で大まかな方向性は見えてきていたので、擦り合わせを丁寧にしながらご提案させていただけたかなと思っています。
ー 実際にリブランディングを依頼されてみて印象をお聞かせください。
横尾様:現在は、SNSやウェブで検索したら何百万とグラフィックデザイナーの選択肢が出てきますよね。その中で「この人がいい」とSMDOをピックアップしてきたところが、横田さんの感性なんだと思います。僕は佐野さんの魅力は2つあると思っていて。一つは、佐野さんはデザインの可能性を広げるための分析もしっかりしてくれるところ。右脳と左脳の両方を活用して、感性だけに頼ることをしない。もう一つは、こちらの要望にとにかく寄り添っていただけるところ。予算や提案も含め、突き放さないで寄り添おうと努力してくれるんです。顧客の課題をどうにかして解決してくれる、そんな姿勢に本当に感銘を受けました。


ー SMDOでは『あんこと』のリブランディングに際して、どんなところが記憶に残っていますか?
佐野:最初に数時間かけたヒアリングで、「和らしさを前面に出さず、かといって既存のファンを切り離さない」方向性を意識するに至りました。田舎っぽくならないクールなグレーを提案したり。小豆のイラストを使うという案に対しても、社内でも様々な議論があったと伺っていますが、1秒で「あんこを使ったブランドである」というのを覚えていただくことはビジュアルアイデンティティ策定の中で本当に大切なところでした。ただの写実的な小豆のイラストではなく、金色で表現した個性的な小豆で「様々な可能性を秘めたあんこ」を表現しています。
横尾様:パッケージの紙質についても「素材感を活かしたい」「手触りの良いものにしたい」といった要望を反映するため、業者との連携を丁寧に行ってくださいました。
下図:SMDOが初回提案したパッケージデザインの一部

下図:SMDOが初回提案したロゴタイプ・シンボルの一部



論点整理でブランドを導く
SMDOのリード力
ー リブランディングの取り組みを経て、今後の展望について教えてください。
横田様:今回のリブランディングを通じて、私たちが大事にしているブランドイメージが形になりました。今後は、この新しいデザインを活かして、さらに多くのお客様に商品を手に取っていただきたいです。ゆっくりでも良いので、無理のないペースで進めていきながら、あんこの魅力を世の中に広げていければと思っています。

ー SMDOに依頼してみて、こんなところがオススメできる、と思われた点があればぜひ教えてください。
横田:やはり打ち合わせ初期の圧倒的リサーチは飛び切りです! 群を抜いたオススメポイントですね。それに、依頼側もクリエイティブを作る中で「これもいいし、あれもいい」みたいにブレてしまうこともある。結果的に全ていい!となってしまうこともあります。そこをきちんと「こっちだよ」と、佐野さんが先頭に立って導いてくれるんです。リブランディングの中でも「『あんこと』はどっちの方向に行きたいんですか?」って質問をされたことは、すごく記憶に残っています。マスに向けて、たくさんの人に売りたいのなら尖りすぎてもダメだ、と。そうした、こちらの論点を整理して導いてくれるところがすごく助かりました。
横尾:佐野さんが東京理科大学卒だと聞いて、やっぱり!と思いました。感性と論理を両立して、そのバランス感覚でお客さんに寄り添ってくれる。そうした姿勢に感銘を受けましたし、SMDOの魅力はこういうところだと思いますね。


ブランドプロフィール
あんこと / ANKO TO
東京・五反田と恵比寿の和食屋「それがし」から生まれた「あんこと / ANKO TO」は、“あんこ”との新たな出会いを通じて、その魅力を伝える新しい“和”スイーツを提案します。北海道産のこだわり小豆を使用し、職人が丹精込めて炊き上げた自家製あんこを主役に、ユニークで心和らぐ甘味や焼き菓子をお届け。素材本来のおいしさを大切に、あんこが好きな方もそうでない方も楽しめる優しくて素朴な甘さを追求しています。ハレの日のおやつから、日々の暮らしを彩るご褒美お菓子まで。季節の移ろいが感じられる贈り物や、特別なひとときにそっと寄り添います。
スイーツブランド 担当事例

ロゴ、パッケージBOX、ショッパー、リーフレットのアートディレクションとグラフィックデザイン

リブランディングにおけるクリエイティブ全般のクリエイティブディレクション、アートディレクション、グラフィックデザイン等
Tokyo University of Science ~ RIDAIHITO


佐野の母校である東京理科大学様から取材のご依頼をいただき、東京理科大学報 第237号に掲載される「理大人」のコーナーでインタビューが公開されました。
デジタルパンフレット237号
https://www.tus.ac.jp/d-pam/magazine/no237/#target/page_no=7
理大人のコーナーは、大学の特設ページでもご紹介していただいております。
インタビュー全文は是非こちらをご覧ください。
https://www.tus.ac.jp/ridaihito/2370.html
東京理科大学公式SNS
・X
https://x.com/TUS_PR/status/1915574828498903151
https://www.instagram.com/p/DI2cmSszIXx/?img_index=1
東京理科大学公式HPはこちら
Gakusei shinbun


学生新聞にて、佐野のインタビュー記事が掲載されました。













