CARAMELIFE
CARAMELIFE様 インタビュー
インタビュアー:Kotaro Hamasaki
執筆:Kotaro Hamasaki
お話を伺ったCARAMELIFE株式会社の皆様
CARAMELIFE株式会社/代表取締役社長
小西篤雄
BtoB企業にて30年以上キャラメルの開発に携わり、お客様のご要望に合わせた商品開発を行う。2019年社内の新規事業として「CARAMELIFE」を立ち上げる。
CARAMELIFE株式会社/ブランドマネージャー
山口久美子
BtoB企業入社後、デザート系の商品開発に携わる。CARAMELIFEの立ち上げに伴い専属メンバーとなり、商品開発はじめ業務の全般を担う。
Sano Minami Desogn Office 代表/アートディレクター
佐野 みなみ
1983年11月03日生まれ。東京理科大学理学部化学科卒業 東京理科大学大学院理学研究科 化学専攻中退
その後、第一種特待生としてバンタンデザイン研究所グラフィックデザイン学科入学。
C.T.T.P (現 信藤三雄事務所) インターン在籍後2009年4月より2010年4月まで 合同会社OPERA (現 株式会社ヴィーナス・スプリング ) に在籍。グラフィックデザイナーとして勤務。
2010年4月より独立しSano Minami Design Officeを設立。
2023、2024年発売グラフィックデザイン年鑑『MdNデザイナーズファイル』にて最前線で活躍しているトップクリエイター&次世代を担う若手デザイナー255組の1人として掲載されている。
ブランドイメージを一新するフルリニューアルプロジェクトをSMDOに依頼
ーSMDOに「CARAMELIFE」のリブランディングを
依頼した経緯を教えてください
小西様&山口様:私達は元々、食品メーカー向けにキャラメルを中心とした食材料を提供するtoB向けの企業です。「CARAMELIFE」は、toC向け商品を開発する新規事業として始まりました。そして日本で唯一のキャラメル専門店として、キャラメルの焼き加減やフレーバーにこだわった商品ラインナップをもつキャラメル専門店を東京・自由が丘にオープンし現在に至ります。
小西様&山口様:ブランド立ち上げ当初は、職人による手作り感を強調するようなクラフト感ある世界観のブランドイメ ージでスタートしました。しかし、さらなる売上拡大やギフト需要に応えるため、ブランドイメージを 一新するリブランディングを行うことを決意しました。当初のデザインは親しみ感や温もりのあるもの でしたが、より高級感があり、手に取った瞬間からキャラメルを味わうワクワク感を抱いたり、 CARAMELIFEを手に取るときの特別感を演出するようなブランドイメージに一新したいと考えました。
そんな中で、SMDOのwebサイトを見る機会があり、直感的に「このデザイナーさんだ!」となりそのま ま具体的に相談しました。SMDOの掲載実績にあったスイーツ系ブランドのデザイン事例は、まさに CARAMELIFEが新たに目指したいと考えていた洗練された世界観・デザインのものが多くCARAMELIFE チームとしても非常にワクワクしながらプロジェクトをスタートしました。
プロジェクトの進行のスムーズさと、アウトプットの秘訣
ーSMDOのデザインのどのような点を気に入っていただけましたか?
小西様&山口様:完成したパッケージのデザインやキービジュアルは、まさに「CARAMELIFE」のペルソナを体現するも ので、非常に満足度が高いデザインが完成したと考えています。CARAMELのCの字をモノグラム化し、 ブランドコンセプトの“Bitter to Sweet”を体現したデザインも大変気に入っています。敢えてキャラメル のフレーバーや見た目を表現するブラウン系の色使いをメインにするのではなく、キャラメルの色を引 き立たせるために、キャラメル色の補色であるグリーンをブランドのメインカラーとして提案いただきました。ご提案頂くデザインを理論立ててきちんとご説明いただいた上で、佐野さんが得意とする特別 感を感じる表現や、ギフトとして誰かに贈りたくなる商品に仕上がったと感じています。
小西様&山口様:完成したデザインに佐野さんの想いが反映された提案があるはもちろんなのですが、プロジェクトが進行する中での佐野さんのディレクションもSMDOの魅力だと感じました。スピーディーかつスムーズで、アートディレクターやデザイナーとしての領域以上に頭を捻って動いていただけるプロジェクトの担当 者としてのご対応は、クリエイターとしてだけではなくビジネスマンとしても非常に気持ちの良いお取り組みでした。
例えば、デザインのご提案では、複数の方向性や具体案を示して頂きました。その際に平面でのデザイ ンだけではなく、実際にパッケージ業者からは現実不可能と言われたリクエスト(1つのパッケージでS サイズとMサイズの瓶キャラメルも、紅茶の個包装も好きなサイズを好きな数だけ詰め合わせられるようにアレンジできるパッケージを作りたいというリクエスト)を、佐野さん自身が図面を引いて、遊び心 のあるメッセージ付きのスペーサーを用意することで我々のリクエストを最大限実現できるようなサンプルなども、佐野さん自ら切り貼りしてご用意頂いたことを今でも覚えています。
下図:SMDOが初回提案したパッケージとブランドサイトの一部
デザインを一新したことで、CARAMELIFEの営業担当の“気持ち”にも変化が!?
ーデザインを一新してから生まれた変化があれば教えてください
小西様&山口様:リブランディングを実施する狙いの1つでもあった「ギフト」としてのブランドイメージをつくることに 大きく貢献しています。リブランディングを行い、パッケージやWEBサイト、キービジュアルなどを統 一的に一新してから、例えば結婚式の引出物としてのご相談が増えました。中にはデザインをご評価い ただき、独占で取り扱いしたいというお声もいただきました。また、百貨店などからの引き合いも多くなり、催事ごとなどのタイミングでもポップアップを出展するなど新たな動きも生まれています。こういったギフト需要に関するお取り扱いが増え、お客様からの声としても、ギフトとして頂いて嬉しかった・美味しかったから、自由が丘の店舗に買いに来たというお客様もいらっしゃいまして、ギフトを起 点とした好循環が生まれています。今回のSMDOとの取り組みを通じて、より多くの人にCARAMELIFEの魅力をお届けすることに繋がっていると感じています。
また、販路の拡大以外の点でとてもユニークだった変化が、社内の営業担当者のモチベーションが向上したことです。パッケージを一新してから、営業担当者がより積極的に取引先に対してCARAMELIFEの商品をお持ちするようになったと感じています。販売活動に積極的になったということ以上に、自社ブ ランドに対する愛着や誇りが高まったのだと考えており、既存のtoBのお取引先にも手土産やお歳暮・お中元としてCARAMELIFEの商品をお持ちする営業担当者も増えていて、社内でも引き合いが高まっている点は、リブランディングが成功している一つの証だと感じており、組織としても非常に明るい変化が 生まれています。
キャラメル専門店「CARAMELIFE(キャラメライフ)」
「CARAMELIFE」は東京・自由が丘に店舗を構え、新しいキャラメルの世界をご提案するキャラメル専門店です。“Bitter to Sweet”(苦いものから甘いものまで)“をコンセプトに掲げ、日本で唯一のキャラメル専門店として個性豊かなキャラメルを販売しています。キャラメルの焼き加減を調整することで、異なる苦さと甘さのバランスを持つシリーズや、フルーツやスパイスなど、バラエティあふれるフレーバーのキャラメルを販売しています。
【会社概要】
社名:CARAMELIFE 株式会社
代表取締役社長:小西篤雄
所在地:〒153-0063 東京都目黒区目黒一丁目4番16号
公式webサイトURL:https://caramelife.jp
オンラインショップ:https://caramelife.shop-pro.jp/
【CARAMELIFE 自由が丘概要】
所在地:〒153-0063 東京都目黒区自由が丘一丁目16番12号
アクセス:東急東横線・大井町線自由ヶ丘駅(正面口/北口)より徒歩6分
電話番号:03-6421-4800 営業時間:11:00〜19:00 定休日:水曜日
スイーツブランド 担当事例
ロゴ、パッケージBOX、ショッパー、リーフレットのアートディレクションとグラフィックデザイン
リブランディング、パッケージ、ロゴデザインのアートディレクションとグラフィックデザイン等
CARAMELIFE様リブランディング事例
インタビュアー:Kotaro Hamasaki
執筆:Kotaro Hamasaki
SMDO(Sano Minami Design Office)とは
都内を中心に活動する少数精鋭のデザインチーム「SMDO (Sano Minami Design Office)」は、20名ほどで構成されており、アートディレクター 佐野みなみが主宰するデザイン事務所で、実力派のフリーランスが5年以上前から完全リモート、離島や海外在住のスタッフも在籍し、昼夜問わず個々の働きたい時間に合わせて作業している。ビジュアルアイデンティティ (VI) の策定をはじめ、アートディレクション、グラフィックデザイン、写真撮影、Web デザイン、イラスト、パッケージデザイン、ブースグラフィック、イラスト制作等を幅広く担当。グラフィックデザイン年鑑『MdNデザイナーズファイル2023』にて、最前線で活躍するトップクリエイター&次世代を担う若手デザイナー255組の内の1組として選出。また、2020年バレンタインデー以降、チョコレート・ブランド GODIVAのパッケージデザインも多数手掛けている。
累計60以上以上の食・スイーツ系ブランドの
アートディレクションを担当!
3つのキーワードから紐解く、SMDOのデザインの秘密
1:非日常感あるデザインで特別感を伝える
担当するスイーツの多くが自分へのご褒美やギフト需要のあるものであり、特別な日に食べる高揚感や非日常感ある感情の創出を狙ったデザインを多く担当。“ハレの日”に消費される商品はSMDOの得意領域である。SMDOでは「大人向け絵本の扉絵」と例えることもあり、パッケージは日常生活を忘れるファンタジーへの入り口と考え、視覚から世界観に引き込んで現実へ引き戻さないアートディレクションが好評を得ている。
2:『一点突破しない』200案近く検証するデザイン提案
SMDOがデザイン事務所として大切にしているのは「クライアントのオーダーから逸脱することなく、ブランドが持つ今後の展望や可能性を考えうる限り模索し、なぜそのようなデザインになるかの根拠を提示する」初回提案やコンペの時点で、100~200案ほどの検証を行うことも普通で、その上でなぜ今回のデザインの提案に至ったかを明確な根拠とともに提案するスタイルである。このようなアプローチが有名ブランドのコンペ獲得や評価に繋がっている。デザインのプロセスにおいてブランドの課題や世界観を俯瞰し、クライアントとともに最終的に良質な1案を決定する合意形成に繋がっている。
3:『トレンドに左右されない』ブランドの独自性を深ぼる
スイーツのアートディレクションにも確かにトレンドは存在するが、敢えてトレンドを意識しすぎずブランドの独自性を発掘し、デザインに起こすことを重視。提案するデザイン1つ1つの個性とストーリーを形にして、トレンドを作り出すような意識が、担当するスイーツ独自の非現実感体験を強く印象付けるものに仕上がると考えている。
スイーツアートディレクションプロセス ケーススタディ:CARAMELIFE
1:ご依頼の内容と課題感の整理
SMDOが参加する前までのデザインの方向性は、カジュアル、ほっこり、クラフト感、庶民的な印象が強く、想定しているターゲット層とデザインの乖離が激しいものだった。特別感、プレミアム感が弱かったため、「スイーツ」で重要な「相手がこれを選んで買ってくれた感」「自分へのご褒美として購入したいと思える」という点を補うことを課題として設定した。
2:リサーチ
新デザインの提案にあたり、幅広い切り口での事例リサーチを実施。競合他社事例、シンプル系パッケージ、柄系パッケージ、タイポグラフィ系等、想定されうる可能性をまずは発散し、方向性を整理。
3:デザインの提案
リサーチ情報とCARAMELIFE様へのディスカッションから初回デザイン案をご提案。当事例ではパッケージ(特に商品を入れる外箱)から着手。デザインバリエーションごとにカラーバリエーションも初回提案時に作成してご提案。箱で表現されたビジュアル・アイデンティティよりwebを始めとした各種制作物の提案にも展開し、具体的なイメージをご提出。
※イメージは次項に掲載
4:2回目以降のご提案
コアとなる外箱のデザインを決めた後、派生するアウトプットのデザインを提案。この際、パッケージのサイズ展開ごとのデザイン、モノグラム、web、VMD、ショッパー等のデザインそれぞれにおいても、考えうる世界観を複数検証した上でデザインを提案。
5:完成
上記のようなプロセスを経て、最終的なビジュアルに完成。完成までのプロセスにおいて、SMDOの特徴である絵本の扉絵のような『非現実感』のあるデザイン、 「考えうる世界観を複数検証する」形で全てのプロセスに置いて一点突破しないデザイン提案を実施。
東京理科大学卒・同大学院中退の
アートディレクター・佐野みなみプロフィール
Sano Minami Desogn Office 代表/アートディレクター
佐野みなみ
デザインチーム「SMDO(Sano Minami Design Office」代表
1983年11月03日生まれ。
東京理科大学理学部化学科卒業
東京理科大学大学院理学研究科 化学専攻中退
その後、第一種特待生としてバンタンデザイン研究所グラフィックデザイン学科入学。
C.T.T.P (現 信藤三雄事務所) インターン在籍後2009年4月より2010年4月まで
合同会社OPERA (現 株式会社ヴィーナス・スプリング ) に在籍。グラフィックデザイナーとして勤務。
2010年4月より独立しSano Minami Design Officeを設立。
ヴィジュアルアイデンティティの策定をはじめ、アートディレクション、グラフィックデザイン、フォト、WEBデザイン、イラスト、パッケージデザイン、ブースグラフィック等幅広く扱っている。トータルアートディレクション、写真撮影等を担当したアパレルブランドSTeVeNTACHは海外版マリクレール等でも紹介された。2020年バレンタインデー以降チョコレートブランドGODIVAのパッケージデザインも多数手がけている。グラフィックデザイン年鑑『MdNデザイナーズファイル』にて最前線で活躍しているトップクリエイター&次世代を担う若手デザイナー255組の1人として掲載 ※主な事例は、別紙をご参照ください
スイーツブランド 担当事例
ロゴ、パッケージBOX、ショッパー、リーフレットのアートディレクションとグラフィックデザイン
リブランディング、パッケージ、ロゴデザインのアートディレクションとグラフィックデザイン等