SMDO×MATSURICA interview

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INTERVIEW
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アートディレクター・佐野みなみとイラストレーター・MATSURICA

SMDOでのクライアントワークについて語る

SMDOで活躍するイラストレーター・MATSURICA氏と、SMDO代表の佐野みなみ。対談を通じて二人の人となりからクリエイティブへの想い、SMDOのアートディレクションの特徴や少し変わったシフト制など、SMDOの実際について語ります。
また、MATSURICA氏が手がけたSMDOの愛猫・nomiとmuuのアート作品についても、どんな経緯で制作することになったのか、制作時の思い出などを振り返ります。

 

執筆:Yuri Tozaki

SMDO×MATSURICA  interview

イラストレーター

MATSURICA

 

デジタルアーティストであり、イラストレーター、そして画家である。

2001年に茨城県立取手松陽高等学校美術科(日本画専攻)卒業後、独学でデジタルアートを習得。

20歳でイラストレーターとして独立後、クライアントワークを中心に行う。2007年に関東、関西の2画廊にて作品の委託販売が始まり、画家としてオオカミとカラスの旅をテーマとしたの作品を描き続ける。現在は制作活動をしながら本の装丁画などのクライアントワークを併行して活動中。

SMDO×MATSURICA  interview

Sano Minami Desogn Office 代表/アートディレクター
佐野 みなみ

 

1983年11月03日生まれ。東京理科大学理学部化学科卒業   東京理科大学大学院理学研究科 化学専攻中退
その後、第一種特待生としてバンタンデザイン研究所グラフィックデザイン学科入学。

C.T.T.P (現 信藤三雄事務所) インターン在籍後2009年4月より2010年4月まで 合同会社OPERA (現 株式会社ヴィーナス・スプリング ) に在籍。グラフィックデザイナーとして勤務。
2010年4月より独立しSano Minami Design Officeを設立。

2023年から3年連続でグラフィックデザイン年鑑『MdNデザイナーズファイル』にて最前線で活躍しているトップクリエイター&次世代を担う若手デザイナー255組の1人として掲載されている。

MATSURICA氏は仕事中に「小さな佐野みなみ」を宿している?

佐野:MATSURICAさんは、SMDOにイラストレーターという形で所属されていますが、SMDOを知っていただいたきっかけはどういう経緯でしたか?

 

MATSURICA:ホームページを偶然見つけて、それでイラストレーターを募集されていたので問い合わせをしました。元々は画家業をやっていたのですが、それを一度止めて、クライアントワークをするイラストレーターとしてやっていこうと思っていたタイミングでした。

今まで対企業とのやり取りってやってこなかったので、新しいことにチャレンジしたいと思っていました。

 

佐野:ご自身のアート活動を完全に辞められたわけではないですよね。

 

MATSURICA:絵を売るという活動自体が少し虚しくなってきていたタイミングでもありました。

なので一度作家活動は休止してみようと思って、イラストレーターにチャレンジしてみることにしたんです。

 

佐野:MATSURICAさんは、SMDOに参加していただいてからどれくらいになりますか?

 

MATSURICA:確か2023年9月からだったと思うので、1年半くらいですかね。佐野さんが、私の人生において初めてのタイプの方なので、圧倒されるというか。パワーとセンスと、いろんなことが初体験という感じでした。一緒にやっていて面白いですし、嬉しいです。今、私自身の満足感がすごいんですよ。

 

佐野:ありがとうございます(笑)。どんなところが他の人と違うと感じるんですか?

 

 

SMDO×MATSURICA  interview
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MATSURICA:佐野さんのアートワークって、理系出身なこともあって研究の要素が入っている感じがして。デザインを感覚でやるというよりも、研究して突き詰めていくようなイメージ。あとは、佐野さんと出会ってから私のアートワークに対する意気込みも全然違ってきて。

 

自分の中に“小さな佐野みなみ”がいるんです。

 

その小さな佐野みなみを宿すと、冴えてくるような気がする。

自分のアートワーク制作時にも「これ佐野さんだったら絶対ダメって言うだろうな」という違和感を感じる時があるんです。

普通はどこがおかしいのか、パッと見は嫌なんだけど何が嫌なのかすぐにはわからないんですよね。だからクリエイターはみんな困るんですが、佐野さんはそこを見抜くんです。

 

佐野:小さな佐野みなみを宿すって言葉めちゃくちゃキャッチーなので採用していいですか?(笑)

MATSURICA:デザインの構図や色だったり、その違和感がなぜパッとわかるんですか?

 

佐野:一つには、数をこなしてきたというのがありますね。

うちにはデザイナーが約20人いるんですが、それなりに入れ替わりもあり、いろんな人のデザインを見るようになります。そうすると「いいな」と思う人のデザインと、経験のない人のデザインとでバランスの取り方も決定的に違ったりするんですよね。あと、デザインの組み立て方も、MATSURICAさんがおっしゃられた通り私は割と理系的に考える癖があるんです。

マージンの取り方に一つとってみても、二つのコンテンツがあるんだったら、二つのコンテンツだってわかるようなマージンの取り方をしないといけない。そこができてないと全体のデザインが散漫になってくるんです。ただ、高校時代から鉛筆画をずっとやってたっていうところもあって、私にもアーティスト気質な部分もある。絵を描く人の気持ちにもなろうと思えばなれるし、理系的な考え方をする部分もある。そういうバランスがもしかしたら、良い相互作用を生んでいるのかもしれませんね。

SMDO×MATSURICA  interview
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– デザイン的に「違う」箇所が

すぐにわかるのが佐野のディレクション

 

佐野:今まで様々な案件で活躍いただいていますが、一番最初にお願いした案件は何でしたっけ?

 

MATSURICA:GODIVAのパッケージイラストのお仕事だったと思います。

桜のイラストや、他にもすごい量のイラストをご依頼いただいた思い出があります。イラスト案だけでも「すごい量だな」と思いましたけど、不満は全くなくて、ここまで案出しをするデザイン事務所って他にないんじゃないかな、と思ったのを覚えています。

 

そこで「SMDOでは徹底的にやるんだな」ということが体感できましたね。

 

佐野:ありがとうございます。

MATSURICA:あと、お菓子の形状案を出すところまででしか関わっていませんが、THE Petalの案件が進行している状況を横目で見ていて、結構サクッと「ここ違う」「ここ違う」って佐野さんが指示を入れているのを見ていて「判断が速いなぁ」と思ってましたね。

 

通常のデザイナーの方でも「何か違う」はわかるんだけど、じゃあどこが違う、までわかるのに時間がかかるものじゃないですか。

それをサクサク進めて行くのが、佐野さんが他の人と違うところだと思います。

 

 

 

 

 

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佐野:私、すごいせっかちなんですよ。だから「迷ってる時間がもったいない」と思っちゃう。

一度にやってる案件数が多いときは二十数個くらいあるんです。それだと迷ってられない、という事情もありますね。進まなきゃ終わらないから。

あとは自分の中で確固たるイメージがあることがほとんどなので、それにたどり着くように制作しているので判断はしやすい。明確なビジョンがある、というのは判断が速いと言われる一つの要因かもしれませんね。

また、毎日何名ものスタッフに向けて、365日何年も指示動画を撮り続けていると、そのデザインやイラストについてどう進行すべきか脳内で瞬時に整理・言語化して、順序立てて話す癖がついているというのもあると思います。

 

実はMATSURICAさんは、私の求めているビジョンを察知する能力がSMDOのスタッフの中でもかなり高いんです。あとは表現の幅も広いですよね。

 

自分の得意なテイストだと作業が速いけど、苦手なジャンルだとなかなか進まない方もいますから。MATSURICAさんは3Dテイストでも絵画テイストでも何でもいけるから、難易度が高いイラストの制作依頼が来たときはまずMATSURICAさんにお願いするようになってきてしまった(笑)。

 

他のイラストレーターさんの場合には得意なテイストをお任せしていますし、それが本来想定しているスタイルでもあるのですが、MATURICAさんは3Dやステンドグラスのようなテクスチャまで対応ジャンルの幅がかなり広いのでクライアントワークにおいてはとてもありがたい話ですよね。

 

MATSURICA:Photoshopの技術というか、表現には自信があるんです。

こうしたいというビジョンを見せていただいた際に、どうアプローチをするとここにたどり着けるのか、というのは理解できている自信があります。

それでも毎回、SMDOから依頼を受けるときは自信がないです。今度こそ描けないかもしれない、と思っている。

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佐野:今までお願いしたお仕事の中で大変だったなとか、逆にやりやすかったと思うものはありましたか?

 

MATSURICA:やりやすいのは、リアルテイストなイラストですね。何も考えずにリアルに描けばいいだけなので、手を動かせば終わる。逆に大変だったのは、Photoshopでできない布の質感を表現してくれという依頼とか。あと、ちぎり絵をオーダーされたときも結構大変でしたねぇ。どうやってちぎりを絵に表現しよう、とすごく悩みましたから。

描くっていうよりは素材感で表現して、というオーダーがたまにありますよね。ステンドグラス風とか。ああいうのは結構ひねり出して、どこから手をつけようかな、と考えながら作業しています。

 

佐野:ステンドグラスのイラストは、上がってきたときに本当に素晴らしいなと思いました。

「MATSURICAさん、本当に何でも行けちゃうんだ」と。そこからどんどんオーダーが厳しくなっていった記憶があるんですけど(笑)。GODIVAの桜パッケージのイラストもお気に入りとおっしゃってましたね。

 

MATSURICA:初めはあまりにも今までのプロダクトの雰囲気とかけ離れていたので「これでいいんだろうか?」「ちゃんと形になるのかな?」と思いながら制作していて。自分の中で先の見えない恐怖感がある中でイラストを渡したら、すごい綺麗になって出てきたので「ああ良かったんだ」と。

 

 

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佐野:これ、MATSURICAさんのパワーももちろんですが、これを構成してくれるデザイナーさんのパワーもありますからね。イラストとデザインのコラボレーションですごくいい形になったと思います。例えば、SMDOのスタッフの福岡さんという方がいるんですが、彼女のセンスは私も大好きなんです。

 

MATSURICA:nomiちゃんとmuuちゃんの名刺を作られた方ですね。

 

佐野:そうです。イラストをMATSURICAさんが描いて、それを福岡さんが名刺の形に仕上げてくれたんですよね。インスタにアップしたら大好評で、商品化してくれって連絡が来たり。名刺を商品化ってどうやって?って(笑)。nomiとmuuの特徴も捉えてくれてて可愛いですよね! 

これもイラストとデザインの良いコラボレーションの形でした。

ポップアート的かつレトロなデザインで、SMDOならではの遊び心と独自性に富んだデザインになりましたね。

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– SMDOのアイドル猫・nomiとmuuのイラスト制作の依頼を受けて

佐野:MATSURICAさんにnomiとmuuの絵を描いてもらいたいなという気持ちが、名刺を制作した頃から湧いてきて。閑散期の頃合いを見てMATSURICAさんにイラストをお願いしたんです。最初に絵をお願いしたいってご連絡した時はどう思われました?

 

MATSURICA:すごくドキドキして、私が描いていいのだろうか、という気持ちもありました。佐野さんはきっといろんなイラストレーターさんを知っているだろうし、私なんかでいいのかしら、と。でも、私自身もやりたいと思ったんですよね。

 

佐野:見ててジーンと泣けてくる、すごくドリーミーな感じに仕上げていただいて。イラストのポイントやこだわりはありますか?

 

MATSURICA:ちょっと霞がかった感じに仕上げていて、遊び疲れた後の「さあ、そろそろお家に帰ろうかな」という雰囲気をイメージしました。黄昏ているような。

 

 

SMDO×MATSURICA  interview
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佐野:遊び回って、疲れてポテッと砂浜で日向ぼっこしてるみたいな、そういうイメージでお願いしたので、よくぞ再現してくださいました。

 

仮タイトル『シティーハンター』についてはどうですか?

 

MATSURICA:最初のイラストと対比して、街の雰囲気を出したいな、と思って。

ドコモタワーっぽいタワーを描いて、新宿の街をイメージしたり。SMDOのオフィスの角部屋をイメージしているところもあるんですよ。

ビルにお母さんが住んでいて、そこから二匹は海に遊びに行くストーリーなんです。

 

佐野:大きく印刷して部屋に飾ってます! わがままを聞いてくださり、ありがとうございます。

 

SMDO×MATSURICA  interview
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– SMDOのシフト制はデザイン事務所では画期的?

佐野:SMDOに参加してみて、ワークスタイルについては何か思うところはありますか?

 

MATSURICA:他のお仕事では納期を提示されて発注、が一般的だと思いますが、SMDOは時間区切りのシフト制なので、そういう方式をとるのは珍しいと思いました。おかげで、どんなに修正があってもモヤッとすることが少なくて助かってます。デザイン事務所のシフト制はなかなか画期的なシステムだと思いますね。

 

佐野:モヤッとしないのは、時間の区切りがあるからですか?

 

MATSURICA:ある程度時間をかけて納品したものに後からリテイクが入ると「あれだけ頑張ったのに」という気持ちが生まれてしまう。時間がなくなってくると焦っちゃうし。SMDOのお仕事の場合は、じゃあここまで描いたけど、イチからリテイクになった場合はそこまでの分は稼働としてカウントしますと。そういうやり方をしてもらえると、クリエイターにとってはやはり助かりますね。

 

佐野:うちのスタイルでやっていける人は、確かな技術力がある人じゃないと無理なんですよね。私がオーダーしたことに対して時間がかかっちゃう人だとうちでやっていけないんですよ。

MATSURICAさんのように技術や表現の幅があって、ペースも速い人だと、私もお仕事をたくさんお願いできるし、修正の分をお支払いしても損した気持ちにはならないです。

 

MATSURICA:SMDOでは「ここまで時間かけちゃったのに、どうしよう」というのが、全くないです。

 

SMDO×MATSURICA  interview
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佐野:SMDOは時給的にすごく高いわけじゃないし、そんな中でやっていただいている分、かけた時間に対して支払う、というスタンスは絶対守らなきゃいけないと思っています。ディレクターってそういう部分を決める人でもあると思うんで。だから、クリエイターさんの立場でそこを良いと言ってくださるのは、私もこういう働き方にして良かったと思いますね。

 

MATSURICA:SMDOは今後、どんな事務所になっていくんですか?

 

佐野:デザイン事務所を立ち上げて15年目になりますが、実は今、得意な分野がだんだんわかってきた時期なんですよ。チープな言い方かもしれないですけど、我々が得意な分野は大きな企業やブランドさんの案件。誰もが知っているような有名企業さんの案件が相性が良いんですよね。

 

MATSURICA:そうですね。わかります。

 

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佐野:高級感とか、あたたかみのあるプレミアム感というのは、私は常に意識してるんですけど。そういうものを求めているクライアントさんは大きな企業さんが多かったり。

 

私の仕事のやり方も、例えばロジックを元に様々な検証をして多めに案を出すケースなどは、大きい企業さんにとって安心感につながる部分もあると思うんですよね経営層の合意形成をとりやすいなど。

たくさんの検証の上で多くの案を出すには見積もりもそれなりにはなってしまうんですが、それでもリピートしてくださるクライアントが多いですし、結果大きい企業さんとの相性が良い。

 

今後は、私としてもそうした案件を増やしていきたいと思っています。

MATSURICAさんは、今後どんなお仕事をしたいなどの希望はありますか?

 

MATSURICA:そういう大きなクライアントさんや代理店さんと、私たちがチームになって佐野さんの得意な分野でパッケージを作るというのは、理想的なお仕事の形ですよね。

私もそうしたお仕事をたくさんしていけるといいなと思います。

 

佐野:ありがとうございます!

大きな案件にはそれだけ時間がかかりますし、作るだけじゃなくて売らないといけないので、PRやマーケティングなど、そういうところも大切ですよね。

デザインの力だけでは難しいところもありますが、今後もクライアントと協力し合ってブランディングをやって行きたいですね。

 

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SMDO×Rika Tsutsui interview

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アートディレクター佐野みなみとヘアメイクアップアーティスト筒井りか

10年間の軌跡やこれからの展望についてに語り合う

雑誌 カタログ 広告 web媒体等で活躍するヘアメイクアップアーティスト・筒井りか氏と、SMDO代表の佐野みなみ。10年来の二人が出会いからこれまでのお仕事の軌跡を振り返りながら、アートディレクターとヘアメイクの関係性、そしてこれから挑戦したいことなどについて語ります。

 

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ヘアメイクアップアーティスト

筒井りか

 

アシスタントを経て2015年独立。Cake management所属。2023年よりFleelance。

雑誌 カタログ 広告 web媒体等で活動中。

 

WEBサイト:https://rikatsutsui0913.wixsite.com/tsutsui-rika

Instagram:https://www.instagram.com/d_zon/

note:https://note.com/rika_tsutsui

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Sano Minami Desogn Office 代表/アートディレクター
佐野 みなみ

 

1983年11月03日生まれ。東京理科大学理学部化学科卒業   東京理科大学大学院理学研究科 化学専攻中退
その後、第一種特待生としてバンタンデザイン研究所グラフィックデザイン学科入学。

C.T.T.P (現 信藤三雄事務所) インターン在籍後2009年4月より2010年4月まで 合同会社OPERA (現 株式会社ヴィーナス・スプリング ) に在籍。グラフィックデザイナーとして勤務。
2010年4月より独立しSano Minami Design Officeを設立。

2023年から3年連続でグラフィックデザイン年鑑『MdNデザイナーズファイル』にて最前線で活躍しているトップクリエイター&次世代を担う若手デザイナー255組の1人として掲載されている。

出会いと10年の歩み

佐野:私たちが出会ったのが実はもう10年以上前ですよね。

 

筒井:そうですね、あっという間に10年経ちましたね。

 

佐野:2014年にね、筒井さんが私に営業メールを送ってくれたところから、このお付き合いが始まったんですが、その時なんで私を見つけてくれたんですか??

 

筒井:たしかホームページを見させていただいて、 思い切って連絡したんですよね。 何社かアポイントを取ったんですけど、 みなみさんが本当親身に返事を返してくれて。 お返事来た!みたいな感じでした。

佐野:初めてもらったメールをこの前探してみたんですけど 初々しいメールをでしたね笑すごく私のことをまず褒めるところから入ってくださってるんです笑 佐野様のお仕事で、多岐にわたるご活躍を拝見いたしましたっていう。やっぱ褒められると、私もすごく気分が良かったので笑

 

筒井:すごくうれしいですね。 あのメールも、私はすごく時間をかけて絶対見てほしいって気持ちを伝えたくて、かなり練ってますね。

SMDO×Rika Tsutsui  interview
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佐野:私、その独立して15年ぐらい経って、デザイン書とかにもいっぱい掲載いただく機会が増えたので、 正直フォトグラファーさんとか、ヘアメイクさんからこういうブック見てくださいっていう営業メール、すごいいただくんですよ。そうした中で筒井さんの何が良かったかというと、 10年前じゃないですか、私も独立して、5年近く経って、こうそろそろ脂が乗ってくるけれども、まだこうバンバンこう営業メールがもらえてない段階のアートディレクターなんですね。 そんな中で私を褒めたたえるメールが来たら、気分もよく、タイミングはもうバッチリだったってことです笑

 

筒井:うれしいです。あのあとすぐに時間、あのスケジュールを合わせてくださって。ブック見せまでこぎつけたのは本当に嬉しかったです。

 

佐野:ヘアメイクさんの中で独立したばっかりで営業を考えているとか、これはもしかしたらフォトグラファーさんにも関係あるかもしれないけど、私、別に大御所じゃないけど、独立して結構立ってる人よりかは、5年目とか3年目とかぐらいのアートディレクターにアポイントを取るっていうのは、1つ狙い目というか、営業が獲得しやすいのかなって思います。 私と筒井さんもそこで仲良くなっていうか、ブック見たのがやっぱり1つのきっかけになって、 そこから1個お仕事を振ってから、それで10年の付き合いでいろんな案件を一緒にやっていますね。 そういう関係性になれる可能性を秘めているので、勇気を出してこうやってメールを送るっていうのはすばらしいし、 どういう方に送るのかって意味でもすごい筒井さんは私の中でドンピシャで大成功でした。

佐野:まだご招待できるような立派な事務所を構えているわけじゃなかったので、当時は新宿御苑のあたりに住んでて、近くのカフェの待ち合わせをして、そこでブックを見させてもらったよね。

 

筒井:確かアナログのブックでした。 当時はあんまりPDFとかデジタルが浸透してなくて インスタとかで作品バンバン載せるみたいな場所もなかったんで、その大きなブックをこしらえていろんなところに抱えていった記憶があります。

 

佐野:そうそう。でもそのブックが素敵だったのよね。あと作品もそうだけど何よりすごく話しやすかった。 筒井さん自身の見た目もすごくかわいらしいね。あの時ボブっぽい感じで、 すごくアーティスト性もあって、センスもありそうな感じがありました。笑

 

筒井:ありがとうございます! 当時のブックを見返して今よりちょっとアーティスティックなコンセプトが好きだったんです。内容も私はこういうのが得意ですみたいな感じがすごくぐちゃぐちゃになってて、今思えば良かったのか、悪かったのか、、、勢いはあったけど。

SMDO×Rika Tsutsui  interview
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佐野:やっぱりそこで何が伝わってきたかというと、 そのセンスの良さという技術力というのはもちろん伝わってきて、ただリアルなお仕事ってオシャレなことばっかりじゃないから、実際にそういう時にどうなるのかなっていうのはありました。 だからこそ一番最初にお願いした案件っていうのは、割と気楽にお願いしやすい案件からスタートしたっていうところはあると思うんですけど、やっぱりあれから10年ぐらい経っていろいろブックを見るときに、私が今どういう目で見るかというと、やっぱりリアルなお仕事につながるかどうかっていう目線で、私は見るんですよね。

だから今だとやっぱり作品作りがすごく多くて、ビジネスの実績が少ない方だと、実際のお仕事の現場でこの人どう動くのかなとか、クライアントからむちゃくちゃなオーダーがもし入った場合、 対応できるのかなとか、そういうところを考えるんですよね。 でも、やっぱりビジネスのお仕事の実績がいっぱいあって、 その上で素晴らしい作品がいっぱいあるとクライアントさんとか、あとディレクターとのコミュニケーションをうまくやりつつ、 いいものを作れる方なんだなっていう。 そういう目線で今見ています。

 

筒井:だから当時のみなみさんと今のみなみさんでは、 きっと抱えているお仕事の量とか、大きさも全然違うから。 おそらく私本当タイミング良かったってことですよね。

 

佐野:お互いにね! 今の筒井さんが今の私に営業したら、 それはそれでマッチングするし、 当時の筒井さんと当時の私もマッチングしたはずだから いつでもマッチングするっていう笑

佐野:そういうところから、あのもう10年を経ちましたけれども いろんなことを私たちは乗り越えてきましたね。一番最初はね、私がすごくお世話になっている社長さんが立ち上げた、アプリのキービジュアルみたいな撮影で、今で言うと、インフルエンサーさん的なモデルさんを撮影するという案件を、まず最初にお願いしたんですよね。そこからオーディオテクニカさんの案件だったりとか、ファッションブランドさんだったりとか、本当に広告案件からファッションブランド系から先日もカラーコンタクトのブランドのキービジュアルだったりとか。私がお願いしているヘアメイクさんが筒井さん以外にも何名かいますけど、筒井さんはその中でもやっぱりすごく数多いですよね。

10年も一緒にやってるとファッション案件で、モデルさんがいきなり寒くて泣き出しちゃうっていうような案件もあったりしてね。

 

筒井:あれはどの現場でも昔そういうことありましたみたいなこと言うと、みなさん驚かれます。

 

佐野:撮影時期が冬寒い中で海辺の荒野ってこともあったしね。

着るお洋服も割と薄手のものだったから確かにあのモデルさんは一番寒かったかもしれないんですけど、でもいろいろケアはしてね。暖房機器とか最善は尽くしたんですけどあとあの若いモデルさんで、海外の方だったんですけどね。ちょっと途中で泣き出してしまうというハプニングがあってもうどうしようってなって。 今となっては伝説です笑

 

筒井:自分の中では肥やしになりましたね。今となっては、

 

佐野:そうですね、それでもなんとか私たちは乗り越えて、 ちゃんと撮りきったのでそういう意味ではどんな壁が立ちはだかろうと、私たちはきっとうまくやっていけるんだろうという 自信にもつながったわけなんですけれどね。

SMDO×Rika Tsutsui  interview
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アートディレクターとヘアメイクの関係性

佐野:話は変わりますが、ヘアメイクさんから見た良い アートディレクターというのをちょっと聞いてみたくてですね。

どう思いますか。いろんなアートディレクターとお仕事されてますよね。

 

筒井:アートディレクターの方は、大きなお仕事だとやっぱり1人はいますからね。

いろんな方に会うんですけど、やっぱりよいアートディレクターってなると、実績があるっていうのは表面的ちゃ表面的ですけど、やっぱり信頼にもつながるそうですね。 あとなんだろう、やっぱりクライアントさんがどういうプロダクトとかの今後どうやって打っていきたいかとかそういうのも全部アートディレクターの方がクライアントさんと間に入ってつなげてくださると思うんですけど、そういうものをチームに共有するときの共有の仕方がやっぱりアートディレクターによって、いろんなやり方があるんですけど主観的な感じのニュアンスの伝え方じゃなくて客観的に基づいてとか。 ベースみたいなものをしっかり組んでチームをまとめ上げてくれる、クリエイター全員が同じ方向に向けるようなお仕事の進行の仕方だったり。 そういうのがうまい方だと私は一緒にお仕事していて、良いアートディレクターだなって思っています。

 

佐野:ちなみにファッションブランドの撮影とか雑誌の撮影とかいろいろやっていると思うんですけど、アートディレクターがいる案件といない案件の割合って、どれぐらいですか?

 

筒井:そうですね。6割ぐらいはアートディレクターの方が入ってるんですけど、入っていない撮影もあります。 佐野:そうですよね。雑誌とかもフォグラファーさん自身がディレクションしながらっていうのも、すごいっぱいあると思うし広告関係とか特に入ることが多いかなと思います。

SMDO×Rika Tsutsui  interview
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筒井:私、アートディレクターというポジションの方すごく好きなんです。

やっぱりまとめ上げるのがかっこいいなと思って見てて、なんかチームのリーダーみたいな。 だからアートディレクターという存在がいる撮影が本当に好きです。 チームの一員として、私のヘアメイクですみたいな案件が好きなんで自分の性格とかももちろんあると思うんですけど。 こういうビジュアルをこういうふうなところに打ち出して作りたいとかって、こうまとめてくれる人がいれば、だったら私は技術として、こういう風がいいんじゃないですか、 これがいいんじゃないですかっていう時にアートディレクターの方がちゃんといや、それは違うとか、そういうディスカッションができる余地が与えられると思うんです。 だから1人アートディレクターの方がいると私はこのヘアメイクとしてどんなことができるかなとか気合いが入るんじゃないですけど、なんかヨシ!みたいなりますね。

 

佐野:嬉しいですね。結局、アートディレクターって、 クライアントさんと、撮影チームとのその仲介役みたいなところもあるし、 ある意味そうな学級委員長みたいな。

 

筒井:だから好きなんです。私は。

 

佐野:実際に、学級委員長、めちゃくちゃやってて、生徒会の副会長をやった経験もあるんでそういうのが得意な人はアートディレクターとかクリエイティブディレクターとか向きかもしれないですね。

 

筒井:やっぱりそうなんですね! みなみさんの現場、すごい好きなんですよ。 なんでかわかりました。その感覚かも。 学級みたいなとか。

 

佐野:そうそうプレゼント大好きみたいな笑 でもグラフィックデザイナー兼アートディレクターと言いつつ、 今って、自分自身が手を動かすことって、もうほぼないんですよね。 ディレクションばかりなので、こうプレゼンして、打ち合わせしての連続で。

 

筒井:最近ちょっと距離が感じます笑

 

佐野:そんなことない!笑 着実に、同じタイミングで着実に上へステップアップしています!

筒井:しかもコロナ禍以降、さらに働きやすくなってますよね。

 

佐野:オンラインミーティングとか、オンラインプレゼンが許される環境になっています。すごくひきこもりの私にとっては、すごく働きやすい環境にになってきましたね笑

 

筒井:かなり働き方が合ってますよね。

 

佐野:そうですね、時代が私に追いついてきたっていう笑

 

筒井:最近資料の共有とかもないから、 あれなんですかね?録画した動画を、、、

 

佐野:そうそう、動画収録してスタッフとかにも指示しています。

SMDO×Rika Tsutsui  interview
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筒井:あれはみなみさんの中では普通なんですか?

 

佐野:私はコロナ渦前からいかに自分が外に出ないで自分の意思を伝えるかというのを研究し尽くして、それで動画で共有するっていうのを編み出して。笑今うちのチーム20人ぐらいスタッフがいるんですけど、 この20人全員に朝、みんな指示動画を送って今日はあれやってね、 これやってねっていうのを動画で収録して送ってて。あとは皆さんslackでお返事くれると。 ヘアメイクさんとか、フォトグラファーさんにもたまに動画で今回の案件はこういう感じでって動画で説明したりするんですけど、でも聞き返せるし、画面も見返せるし、言った言わないのトラブル対策にもなる。 コロナが始まる前からそういうのをやってたので新しくSMdoに参加する方も、東京では今こんなことにやってるんですか?って言われて、いや、東京だからじゃなくって私だからっていう笑

 

筒井:とてもびっくりしました笑

 

佐野: そこまで引きこもりたいんだっていう笑

そのうちもう現場では会えない、AIみたくなっちゃうかもしれない。 その人がいないみたいな。それぐらい引きこもってます。

 

筒井:今日あえてよかったです笑

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– アートディレクターから見た「良いヘアメイクさん」とは?

佐野:これはまず筒井さんを良いヘアメイクさんだと思ってるから、その前提でお仕事をずっと振っています。

すごく初歩的な話ではあるんですけど、撮影現場でたとえばクライアントさんとお話が盛り上がっちゃったりしてて撮影してるのに、モデルさんの髪の毛がメインかかっちゃったりとか、跳ねてたりしても気づかないでずっと放置してる人いるんですよ。

新人さんのヘアメイクさんとかだと、もしかしたらお付き合いとかもうまくやらなきゃとか、楽しくなっちゃったとかもあるかもしれないですけど。うちの場合は動画よりスチールの方が多いのでその瞬間がとても大事なので、いくら表情がよくても髪の毛がメインにかかってたりとか跳ねていたりとか、、、。レタッチとかでなんとかできはするけど、でも気になったら入ります!と言って入るのがヘアメイクさんなのかなと。ずっとニコニコ笑って立ってるだけな人もたまにいるんですよ。そんな方は滅多にいないんですけど、それは良くないヘアメイクさんの例ですよね。

 

逆に、私がクライアントさんからいろいろリクエストを言われて、たまに目を離さないといけない時とかでもちゃんと任せられるっていう安心感があるヘアメイクさんというのは、やっぱり普通にいいヘアメイクさんだなと思うし、あとは今回どういう案件でどういうヘアメイクがいいですかっていうのを、きちんとアートディレクターに確認してくれるヘアメイクさんっていうのも私としてはありがたいんですよね、初めての方とのコミュニケーションを取るのが少し大変ではあるんですけども、積極的に聞いて下さる方だとお仕事をやりやすいな、また次にお願いしたいなと思うところはあるかなって思います。

SMDO×Rika Tsutsui  interview
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筒井:私は聞くようにしてます。とくにみなみさんには。
というのも、案件が本格的に始まる前にみなみさんってすごく資料だとか共有してくださるんじゃないですか、クライアントさんのニーズ的にも、あの方たちに向けてだったらこういう感じのメイクだとか、こういう感じのヘアスタイルだとか、髪はこれぐらい間引いててほしいとかって、みなみさんは本当に決まってるんですよね。だから特にみなみさんの現場は絶対に集中しないといけないって思ってて。

 

筒井:アートディレクターによってはその人の色があったりするから急に変えたりもするんですけど、みなみさんの場合は現場でこれどうですか?みたいなこちら側の主張をそういうのを出されるのがあんまり好きじゃないと思うんですよね。

大きい仕事をしているからこそそういうのはみなみさんが仕事をやりにくくさせるだけだからしないようにと思っています。

 

佐野:ありがたいです。

もちろん事前に相談していただければ大丈夫なんですが、うちの案件って広告案件が多いので私とモデルさんとヘアメイクさんだけで完結するものではなくて、クライアントさんがあって、代理店さんがあってっていう風に間に色んな方が入るので会社さん、クライアントさんの中でもそれぞれ役員さんの承認を得たりとかすることも多いんです。そうなった時にヘアメイクもこういう方向性で事前に行きますよっていう資料で提出してるのにいざやってみると資料と違うじゃんってなると後でやっぱりね。

筒井:トラブルにもなりますもんね。

佐野:それでも実際のモデルさんで、実際の照明で、実際のカメラマンさんに撮ってみないとわからないところもあるから、現場で判断してより良いものができるとも思っているのでご提案をいただく分にはいいんだけれども、全然違うみたいな話になっちゃうとね。笑

 

筒井:最近大きい案件も多いですしね。でもそういうだからこそ、学級代表の力が発揮されていて、どんどん大忙しなんですね。

 

佐野:筒井さんともそうだし、クライアントもそうだし、そこの安心感というか、突拍子もないことをしないっていう安心感っていうのは、結構大事なのかもしれないです。

もし何かアイデアがあったら、事前にすり合わせをして、資料で共有とかできると、安心なところはあるかもしれないですね。でも私たちが出会った頃とか、10年前とかは割とライブ感を楽しめるような案件もあったかもしれないですね。特に個人でやれているファッションブランドさんとかだと、そのファッションブランドさんと、私とモデルさん、そして筒井さんの感性があったときに、これもいいかもねっていうので、もっていけちゃうケースもあったりするので。でもさっき言ったように間にいっぱい階層があると、なかなかそこだけの判断でいかないケースもあるんです。

筒井:面白さがありますね。しっかり使っていただけるからこそ、慎重なものづくりが必要だったりするんですけど、私はやっぱりそういうライブ感のあるお仕事も好きです。

SMDO×Rika Tsutsui  interview

– フリーランス初期の営業方法と、

今の案件獲得のスタイルの違い

佐野:何かあります?営業ってそもそも積極的にしますか?

 

筒井:いまはやらなくなってしまいました。
でもやりたいなと思ってこの間みなみさん突然ご相談をしました。新しい自分になりたいって。今は営業は本当に行かなくなってしまったんですよ。SNSとかが増えてお仕事のクレジットを見てとかが多くなってしまって、あの頃のアクティブさが低迷している気がします。やっぱり人の紹介とか、そういう横のつながりで十分スケジュールが埋まっちゃうから、10年前と今と比べるとお仕事を獲得しないと生きていけないっていう感じではないんですよね。

 

佐野:営業バンバンやらないとお仕事がもらえないってわけでもない、良いフェーズにありがたくも来れたので、でもだからこそ新しい自分に今なろうとしているんだよね。

 

筒井:はい、みなみさんに相談しました。みなみさんはお仕事の仕方がやっぱり上手だから、ノウハウを知りたいなと思って。聞くならみなみさんかなと思ってご連絡しました。そしたら発信の仕方も、いろいろやってみた方がいいよとか。楽しみながら今回の対談も私的にはかなり新しいし、とりあえずやってみようかみたいな感じでお誘いいただいて。

SMDO×Rika Tsutsui  interview
SMDO×Rika Tsutsui  interview

佐野:だからいいよね、筒井さんが今までのへアメイクさんのキャリアももちろんある中で、でも今後その先の5年、10年の未来を考えたときに、現場でのヘアメイクをやるだけじゃなくて、他の道もあるのかなという、今の現場の仕事もやりつつだけれども、プラスアルファでメイクのノウハウをどこかに発信するのかとか、いろんな可能性があるっていうところを今後の自分の未来を見据えて模索している姿っていうのは、逆に私もすごく刺激をもらっています。

 

筒井:本当ですか?!すごくご活躍されているのに、まだまだステップアップできるようなそういうお話をたくさんしてくださって私もとても感化されました。どこまで行くんですかね?みなみさんは。
でもこれ以上高いところなんてないんじゃないですか笑

 

佐野:ありますよ全然!笑
まだ法人化できてないんですし、お金も出ていく一方なので悩ましいですよね。アートディレクターとかデザイン事務所も営業をどうするかという問題があって。私も過去10年に、あんまり積極的に自分から営業って、そこまでしてないんですよね。やっぱり横のつながりでリピートしていただくとかご紹介いただくっていうのがほとんどなんです。

 

でも去年1年だけ月30万ぐらいかけて、1年間営業会社さんにお願いして、新規の案件を獲得してもらうっていうのをやってはみたんですけれども、そこまで爆発的に案件が増えるというわけでもなかったんです。毎月30万お支払いしてじゃあ年間で考えると、営業費用にフリーランスが年間で300万円以上かけて、じゃあ獲得できた案件がこれだけでって考えると、ちょっとあんまり割にも合わなくて。そういう営業会社さんにお支払いして、案件を獲得するっていうのは、ちょっと今はまだそのフェーズではないというか、法人化とかして、もっともっと稼げるようになったらって感じですかね。

佐野:私も新たな案件を獲得したいと思うし、いい発信のアイデアが欲しいなと思っています。こういうインスタライブだって、1つの発信の手法ではあるので、私も筒井さんもお仕事はいつでも募集しているんでお願いしますっていう笑

 

筒井:お願いします!笑

 

佐野:私も筒井さんもnoteとか最近始めたりしたしね。

筒井:それもやっぱりみなみさんに感化されてですね。色んなことを吸収して挑戦してみたいです。

佐野:インスタライブなんて私たちはやるようなキャラじゃなかったので、それでも一歩何か始めようということで、こうしてインスタライブをやっているわけなのでアーカイブとかで是非たくさんの人に見てもらいたいなと思ってますし、筒井さんのnoteも是非読んでいただきたいです。

 

筒井:まだまだ恥ずかしさが抜けきらず、ちょっとふざけてる部分もあるんですけど笑
乞うご期待って感じで見てみてください。

 

佐野:今後どういうことをnoteに書こうと思ってるの?

 

筒井:実は特技があって。その人のメイク感とかファッションとかでその人の心理状況まで探るのが好きな好きで得意なんですよ。今日はいつもとちょっと違うなとか今日こんな感じなんだろうなとか、ヘアメイクをやっているとそういうのを察知するの得意だと思うんですよ。初対面の方とかでも、現れたときのメイクの感じとかで何となくわかるんです。

佐野:じゃあすごい暗めの赤い真っ赤な口紅とかして、ヘアメイクも強かったらこうだろうなとか?

SMDO×Rika Tsutsui  interview
SMDO×Rika Tsutsui  interview

筒井:そうですね、アイデンティティじゃないんですけど強いアイラインだったり赤い口紅をチョイスするところにその人がどこで誰に会うかとかでも変わってくるんですけどこういう趣味が反映されているんだろうなとか、一筋縄な印象を持たれたくないんだろうなとか。そういうのを感じたり見るのが好きなんですよ。だからそういったことを自分なりに解釈してほんと発信できたら面白いかなみたいな。

 

佐野:それは面白いですね。

筒井:けっこうみなさん知らずにお顔に反映させてるんですよ。 趣味とかを。
そういうのとかを組みと取るのが好きなんですよ。なので気持ち悪いかもですがけっこう見ています笑

 

 

人を見かけで判断するなっていうのももちろんあるんですけど、
そういう偏見とかではなく、マインドみたいなところを
自分的に解釈するのが好きなんです。

それをポジティブな感じでnoteに面白おかしく綴れたらなって。もしかしたら共感とか呼べるのかなって思ってます。

佐野:けっこう筒井さんは分析型って感じ?

筒井:分析型っていうよりかはエッセイ的な感じで、文字上に合わせてどうでもいいことをつらつらとしゃべってるんで、その点にフォーカスしているおかしな人だなみたいな感じで読み取ってもらえたら笑

佐野:すごい読んでみたくなるし、WEBの雑誌とかファッション系、ビューティー系で取り上げていただけたらすごくいいと思うんで興味持っていただいた編集者の方是非!笑

 

筒井:でも本を読んでこなかった人生だったから、
文章あんまりうまくないんですよ。笑

 

佐野:でも今はchatGPT先生に直してもらったり、本場の方に怒られちゃうかもしれないけど、それでもできないからストップしちゃうよりはね。そこでもガンガン発信していったほうが。

 

筒井:文章がうまい人から見たら微妙かなって思いながら、毎回noteに向かうんですけど、noteって開くと、最初にコメントくるじゃないですか。
思ったことなんて書きましょうみたいな。後押ししてくれている気がして、うまくなくてもいいからって。それでも時間がかかるからなかなか更新できてないんですけど。

 

佐野:でも、ちょっとずつでも続けることが大事ですからね。筒井さんのnoteに乞うご期待ですね!

SMDO×Rika Tsutsui  interview
SMDO×Rika Tsutsui  interview
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10年間仕事を一緒にしてきて、一番印象的だった瞬間は?

佐野:なにかあります?私と筒井さんのお仕事で。

 

筒井:何だろう。みなみさんがどんどんステップアップしていく姿を10年間ずっと見てきているので、でも大事にしてるスタンスとかは全然変わってないし、人柄もね全然変わらないんですよね。私なんかよりもずっとキャリアある大物ヘアメイクさんも起用できるはずなのにそれでも私を呼んでくれるのも嬉しいんですよね。

 

佐野:私の結婚式のヘアメイクもやってくれたましたよね。

 

筒井:そう!すごい嬉しかったです。
泣いちゃうのが嫌だからいつもオフィスで流れてたボサノバを起用したところも、私もめちゃくちゃ可愛い人だと思って笑
あと猫ちゃんね、信じられないですよ。いまだに。

 

佐野:こんな猫好きになってしまったという?笑

 

筒井:はい、猫ちゃんたちと一緒に暮らし始めたって聞いた時本当に驚いちゃって。

 

佐野:確かに10年前からずっと私のことを知ってる人からすると、猫を愛でているのはちょっと驚きかもしれないですね。

佐野:結婚式のヘアメイクを筒井さんにお願いした理由もちゃんとあるんです。筒井さんの他にも何名かお付き合いのあるヘアメイクさんが式に参列していただいていて、みなさん長いつき合いではあるんですけど、結婚式のヘアメイクは筒井さんにやってもらいたいなっていうのがすごくあって。
プライベートでめちゃくちゃ仲が良すぎるヘアメイクさんとかもいるんですけど。プライベートが近すぎる人にバレたくない部分であるじゃないですか。でも筒井さんはビジネスがメインのお付き合いだからこそ、お願いしやすかった。

 

筒井:ありがとうございます。とても嬉しいです。でも今だったらもっと素敵にできると思います。笑

イベントとかあったら是非、、、!

佐野:そういう機会があるかどうかわかんないですけどその時はお願いします!

2人ともメディアとかにももうちょっと出れたらいいなという気持ちもあるのでお互いに頑張っていけたらいいですよね。

SMDO×Rika Tsutsui  interview
SMDO×Rika Tsutsui  interview
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今後のお仕事の展望

筒井:仕事を始めて10年くらいになるんですけど、今後この先の10年ももちろんこの大好きなヘアメイクの仕事を続けていきたいんですけど、時代とかもやっぱり変わってくるし柔軟になにか発信したりだとか、そういう機会もあれば挑戦したいと思うしSNSとかでももっと個を打ち出していきたいですね。

noteもまだ全然何もできてないですけど、そういう自分の好きなものを反映したメイクとか、もっと分析して提案できる側に回れるたらいいなと思いますね。何年かかるかわかんないんですけど、現場以外の仕事でも自分のやってきたこととか技術とかを発信できたらいいなって最近すごい考えていて。そのためには今できることって何かなっていうのを気負わず真面目すぎず、気楽にって言ったらあれですけど楽しく皆さんも巻き込んでやっていけたら。

 

佐野:例えばメイクの新しいブランドを開発するブランドさんがあったとしたら、筒井さんの意見も事前にヒアリングとかして、アドバイスもらったりとか、そういう機会もあるかもしれないし、講演とかそういう機会もあればこういうお人柄でしかも長い時間でもひたすら喋り続けられるっていうのを、この動画を見ていただければ伝わると思うのでもし筒井さん興味持っていただいた方はお気軽にお問い合わせしていただければ嬉しいですね。

逆にこの対談を見て、筒井さんのところからもし飛んできてくれた人がいて、このアートディレクターさん、素敵じゃん!って思ってくれたら紹介していただいて笑

本当に素敵なヘアメイクさんなので、長いお付き合いを今後ともよろしくお願いします!

 

筒井:こちらこそこれからもよろしくお願いします!

今日はありがとうございました。

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